任天堂の岩田社長が「転職面接」で私に語った未来 「落ち目」と言われた任天堂に転職を決意した訳
岩田氏とのビデオ会議は30分用意されたが、それを大幅に超えた。部屋には通訳がいるだろうと思っていたが、彼が1人だった。おかげで面接はより距離が縮まったものになり、彼がカメラを操作しズームインの状態にしたおかげで、テーブルで差し向かいになっているように見えた。
岩田氏との面談で確信したこと
まず岩田氏から、私を何と呼べばいいのか聞かれた。
「ミスター・イワタ、レジーと呼んでください」
「ミスター・イワタ、ソニーとマイクロソフトのシステムをどうお考えですか」
「レジー、任天堂は他の会社を理解しようと努めながら、独自のアプローチを取ることにしている。私たちは新たな体験を生み出し、独自のゲームを作っているんだ」
十字キーや、3D画像、コントローラーの触覚フィードバック、4人で行うマルチプレイなど、任天堂がマーケットにもたらした過去のイノベーションについて、私たちは細かに語り合った。私は自宅にある任天堂のシステムで、これらすべてを体験していた。
「私は販売店を訪ねてきました。ゲームキューブの在庫がたくさんあって、一気に売りさばくために、今すぐ何とかしなければと言っています」
岩田氏は言った。「数週間後に売上に拍車をかけるプランがある。こちらとしても、今秋の初めに弾みを付けなければと考えている。ホリデーシーズンまで待ってはいられないからね」。
彼は売上を伸ばすために、値下げを発表する用意があり、すでにゲームキューブの後継機に、懸命に取り組んでいるところだと打ち明けてくれた。
最後に、プレステが小型ゲーム機に参入することについてこう尋ねた。「ミスター・イワタ、任天堂はこの脅威にどう対抗し対処するおつもりですか」。
岩田氏は言った。「うちの会社に入って京都に来てほしい。うちがイノベーションを今後どう続けていくかを見せたい」。
この打ち解けたビデオ会議の後、私は入社することになった。岩田氏となら一緒に仕事ができて、彼のビジョンに満ちたリーダーシップを支えることができる自信があった。
そして自分のスキルを使って、NOAを世界クラスの組織に変えることができると思った。
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