「国語ができない子ども」他の科目も伸び悩む根拠 英語・社会・数学…国語はすべての科目に通じる

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漫画で描かれているように、選択肢を選ぶ問題では、中身をあまり読まなくても、正解を選べる場合は多いです。そしてこれは、国語に限った話ではありません。すべての科目で言えることです。

例えば、選択肢の中に「絶対」「例外なく」「必ず」なんて表現があったら、それは断定的な表現なので、×になることが多いです。

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このような表現の場合、もし1つでも例外が考えられる場合には、正解にはならないですよね。

例えば、社会の問題で「こういうケースは、必ず違法になる」という選択肢があったとしましょう。もし例外が1つでも考えられるのであれば、この選択肢は正解にはなりません。逆にそれを正解だとしてしまったら、いろんな人から「こういうケースも、考えられるじゃないか!」というツッコミが入ることでしょう。

正解になりやすい選択肢

一方で、正解になりやすい表現もあります。例えば先程の例から「必ず」の一言を抜いて、「こういうケースは、違法になることがある」と書いてあったとしましょう。

1つでも違法になる事例があったとしたら、この選択肢は正解になりますよね。逆にこれが正解ではないとすると、「絶対に違法にはならない」ということになってしまいますから、やはりツッコミが入ってしまうでしょう。

ほかにも、「〜なことがある」「〜な場合がある」「〜な傾向がある」といった表現は、完全に否定しているわけではないため、正解になりやすいです。


以上のことから、国語ができる生徒だと、中身を見ずに、選択肢だけを見て「ああ、これは正解にはならないだろうな」「これは正解になりやすそうだ」という表現を見極めることができるのです。これが、国語ができる生徒は、ほかの科目の成績も上がりやすい理由だと考えられます。

実はこのテクニックを応用すると、「否定文で終わっている選択肢は正解になりにくい」と考えることもできます。

例えばみなさんは「北海道ではパイナップルが栽培できる」と言われたら、本当のことだと思いますか? これは、実は正しい文章です。もちろん気候が寒い地域は、パイナップルの栽培に適していませんが、適切な温度や、湿度管理、水やりなどができれば、北海道でもパイナップルは栽培できます。

逆に「北海道ではパイナップルは栽培できない」と言われたら、それこそ間違いです。栽培できる例が1つでもあれば、それは嘘になってしまうのです。

「〜できない」、「〜はされていない」というのは、たった1つ例外があれば、間違いになってしまいます。だからこそ、否定文の選択肢は正解になりにくいのです。


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