新型フリードの価格/装備/燃費をシエンタと比較 大幅に上がった価格に対してお買い得度は?

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WLTCモード燃費は、主力グレードになるエアーEX 6人乗りのガソリン車が16.4km/L、e:HEVは25.4km/Lだ。レギュラーガソリンの価格を160円/Lとすると、“ハイブリッド代”となる34万9800円の価格差を取り戻せるのは、9万~10万kmを走ったころとなる。

ただし、e:HEVはモーター駆動が中心のハイブリッドシステムだから、加速が滑らかでノイズも小さく、運転感覚も上質だ。それを考えると、1年間の走行距離が1万km以下でも、ユーザーの好みによってはe:HEVを選ぶ価値はあると言える。

微妙に異なるフリードとシエンタの商品性

ライバル車になるトヨタ シエンタとの比較も行いたい。シエンタの全長は4260mmで、全グレードが5ナンバー車。フリードクロスターのような、SUV風の仕様は(今のところ)ない。

2024年5月に一部改良を受けたシエンタ(写真:トヨタ自動車)
2024年5月に一部改良を受けたシエンタ(写真:トヨタ自動車)

全高はフリードの1755mmに対し、シエンタは1695mm(2WD)と60mm低いから、シエンタのほうがコンパクトな印象を受ける。

車内の広さはどうか。身長170cmの大人6名が乗車して、2列目に座る乗員の膝先空間を握りコブシ1つ分に調節すると、3列目に座る乗員の膝先空間は、フリードでは握りコブシ3つ分だった。一方のシエンタは、0.5個分にとどまり、足元空間はフリードが広い。

その反面、シエンタは薄型燃料タンクの採用で床が低い特徴がある。この低床設計により、3列目のフロアからシート座面までの高さは、シエンタが40mm上まわり、フリードと違って膝が持ち上がる姿勢になりにくい。

シエンタ7人乗り仕様のインテリア(写真:トヨタ自動車)
シエンタ7人乗り仕様のインテリア(写真:トヨタ自動車)

つまり、フリードは3列目の足元空間の広さ、シエンタは自然な着座姿勢に、それぞれ分があるということ。

また、3列目シートの格納方法も異なる。フリードは左右に跳ね上げる方式で、格納してもシートが荷室に張り出すが、シエンタの3列目は、2列目の下にスッキリと格納されて荷室に露出しない。

その代わりシエンタは、3列目シートを格納するきとに2列目シートを持ち上げる必要があるから、操作が面倒だ。

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