ダスキンは、「ミスド」をどう立て直すのか コンビニとの激突に新タイプの店で応戦

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2009年に就任した山村社長が昨年5月から始めた「ミスドファンミーティング」には、「われこそはミスドファン」を自認する長年のヘビーユーザーばかりが集う。しかし「来られているミスタードーナツが大好きなお客さんの半分ぐらいが、ドーナツは店舗で作ってない、手作りじゃないと思っておられた」(山村社長)という衝撃の事実が判明。

つまりダスキンは、手作りという付加価値を“宝の持ち腐れ”状態にしてきてしまったのだ。

ミスドは国内に1316店(2015年3月末現在)あり、内装デザインは基本的に統一されている。しかし今後は、半分程度を場所ごとにあった作りに変えるという。単価は高いがゆったりとくつろげるカフェタイプのほか、駅ナカでは持ち帰り専門店なども構想しており、こうした店舗改装と「手作りドーナツ」の訴求で、早期に外食部門の黒字化を目指す。

清掃用具もジリ貧、だが対応は後手に

昨年は、モップについたホコリを吸い取る掃除機がヒット。当初は製造コストがかさむが、将来的にはレンタル事業の収益安定に貢献

一方、主力の清掃用具のレンタルはどうテコ入れするのか。1軒1軒訪問して、4週間お試し料金で商品を使ってもらい、良ければ契約するというのがダスキンのスタイル。法人向け、個人向け双方とも高度成長期を謳歌した。いまも熊本県の天草市では全世帯の5割が利用者であるなど、地方ではまだまだ盤石だ。

だがこの訪問販売モデルは、核家族化や女性の社会進出などの社会構造の変化を受け、壁にぶつかるようになった。たとえばだがタワーマンションなど、都心部ではセキュリティが年々強くなり、訪問しても商品の交換がしづらくなっている。専業主婦と子ども、祖父母まで同じ家にいるような家族も減った。

社員に危機感はあるものの、過去の成功体験からなかなか脱却できない。ダスキンは原則、フランチャイズチェーン(FC)モデルで事業を拡大しているため、現場の最前線が加盟店であることも、改革を先送りする方向に作用していた。

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