「結婚適齢期は50代」ということもある! ある国家公務員男性の「遅れてきた春」

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「資金的にも余裕がありませんでした。公務員も中途で入ると給料は同世代に比べて低くなります。40歳になっても年収400万円ほどでした。20代ならばマックでデートでもいいとは思いますが、40代でそれは難しいでしょう。

東京でひとり暮らしをしながら、実家にいる親兄弟に送金したので、貯金はほとんどできませんでした。そんな私でもいい、と言ってくれる女性がいたかもしれませんが、ご縁はありませんでしたね」

使えるお金が少ないと、男性は…

先ほどのモテる男性像に補足を加えなければならない。仕事が忙しくて遊ぶお金もある状況に置かれると、筆者を含む単純な男性たちは浮かれ始める。普段よりも活動的になり、仕事にも遊びにも前のめりになる。

睡眠時間が多少減っても疲れない。知人(特に女性)と会食する機会があると、「お金はあるけれど使い道がない」などとうそぶいておごってしまう。笑顔も明るい話題も増える。一緒に遊んでくれる女性からは魅力的に映りやすくなる。

しかし、収入や小遣いが少なくなると途端に意気消沈してしまう。千円の出費も惜しくなって仕事以外での外出をできるだけ控えるようになる。休みの日は自宅でボンヤリしているので、話題も乏しくなるし、気持ちもいじけてくるのだ。「40代なのにマックでデートはできない」と語る幸一さんに筆者は共感する。

幸一さんの場合は収入が少ないわけではなく、親兄弟の世話という精神的・経済的な重荷があったのだ。聞けば、父親はすでになく、7人きょうだいの長男として家計を支えてきたという。現在、幸一さん夫婦と暮らしている母親(80歳)も、数年前までは実家で一人暮らしをしていた。幸一さんは東京から毎週帰って面倒をみてきた。

「いちばん下のきょうだいは15歳下です。私は父親の代わりに冠婚葬祭を仕切ってきました。きょうだい全員が結婚し終わったのが4年前のことです。じゃあ、自分も結婚しようかな、と思いました」

職場の友人を通して紹介されたのが、前回記事でも登場した「東京世話焼きおばさんの縁結び(以下、世話オバ)」で男女を引き合わせているオノデラさんだった。押し出しが極めて良い女性である。会うなり「今度、カジュアルなお見合いパーティを開くの。男性が足りないので来てみない?」と誘われた。幸一さんは釣られるように「いいですよ」と即答。いいリズムである。1年半前のことだった。

幸一さんは、男女4対4や6対6のお見合いパーティに5回出席し、お見合いは8回経験した。事前に知らされるのは趣味と出身地、最終学歴のみで、顔写真や年齢はお互いにわからない。世話オバのスタッフが「滝沢さんに合うかもしれない」と言ってくれたことを信じて「とりあえず会ってみよう」という姿勢で臨んだ。

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