カナダの銀行がカリブ海で大損を出している FIFA不正献金がダメ押しになり撤退も
【トロント、ニューヨーク 6月30日 ロイター】- 米国当局による国際サッカー連盟 (FIFA) 幹部の起訴をめぐり、驚くべき事実が明らかになっている。
カリブ諸島にある銀行の幹部が、ニューヨークに飛行機で出かけて個人的に小切手を集め、それを持ってバハマに戻り、それを預金口座に預けることで、不正の実行を容易にしたというのだ。
不正を行ったのはカナダの大手銀行の子会社
起訴状によると、2011年5月に支払われた元FIFA幹部チャック・ブレイザー氏への25万ドルの資金について、電子的な記録追跡を避けようとするこの異常な送金サービスは、バルバドスに本拠を持つCIBCファーストカリビアン・インターナショナル銀行の不特定の幹部が実施した。CIBCファーストカリビアンは、カナダで5番目に大きな銀行であるカナディアン・インペリアル商業銀行の子会社だ。
米国検察の主張によると、この小切手は、当時のFIFA副会長であるジャック・ワーナー氏、ブレイザー氏、さらに別のFIFA幹部に対し、南アフリカが2010年W杯を主催するよう投票する見返りとして支払われた1000万ドルの賄賂の一部だ。
ブレイザー氏は、マネーロンダリング、電子的通信手段を使った詐欺、脱税を含む一連の金銭犯罪について罪を認めている。彼は、当局に協力的な姿勢だ。トリニダード・トバゴに本拠を構え、収賄、電子的通信手段を使った詐欺、マネーロンダリングの罪で起訴されているワーナー氏は、不正について一貫して否定している。
米国検察は起訴状で、ブレイザー氏が、米国法に違反して、支払われた金を隠匿、偽装して運んだとしている。ブレイザー氏の弁護人からは、取材に対する返答はなかった。
この支払金は、銀行が承知の上でマネーロンダリングを手助けしていたのか、または当該取引について法的に求められている精査を怠ったのかどうかについて調べるため、米国当局によって捜査されている一連の取引のひとつ。
カリブ諸島で営業するほかのカナダの銀行も、FIFAの捜査に関連して調べられており、それがサッカー界幹部9人と、スポーツ・マーケティング界や放送界の幹部5人の起訴につながった。