カナダの銀行がカリブ海で大損を出している FIFA不正献金がダメ押しになり撤退も
スコシアバンクは声明文で、パートナーによる腐敗行為を「まったく容認できない」と述べている。
一方、同地域でのRBCのジョイントベンチャーのパートナーで、バハマに本拠を持つフィデリティ・バンク&インターナショナル・トラストは、米国での起訴状で概説された不正とされる支払いに関係付けられている。
米国検察によると、フィデリティのケイマン諸島での営業のための預金口座は、当時のCONCACAF会長のウェッブ氏が米国で新しい水泳プールと新しい不動産の支払いができるように、2012年の終わりごろにスポーツマーケティング権会社から渡ったとされる150万ドルの賄賂を注ぎ込むために使われたという。
同様に収賄、電子的通信手段を使った詐欺、マネーロンダリングの罪に問われているウェッブ氏は、ケイマン諸島のフィデリティに20年にわたって勤務した過去があり、彼が退社してCONCACAF会長になった2012年当時は事業開発担当マネジャーだった。
ロイター通信からの質問に対しRBCは、ウェッブ氏が勤務していたフィデリティ・バンクと、同行とのジョイントベンチャーであるロイヤル・フィデリティは、それぞれ独立した事業体であると強調した。
フィデリティは、ウェッブ氏がフィデリティ・バンクに勤務している間、ロイヤル・フィデリティとも、RBCとも無関係だったと述べた。「われわれのRBCとの関係はなお強固であり、最近のFIFA疑惑によっても影響を受けなかった」と、フィデリティのスポークスマンであるアントニオ・サンダース氏は述べた。
ウェッブ氏の弁護人であるエドワード・オカラガン氏は、コメントを拒否した。
照準は既に定まった
マネーロンダリングを監視するカナダの規制当局であるFINTRACはこれまで、カナダの銀行に対し、FIFAの件に関して何も警告を発していない、とFINTRACのスポークスマンのダレン・ギブ氏は話した。将来、FINTRACがそのような警告を出すのかどうかについては、彼はコメントを拒否した。
カナダの銀行が、カリブ諸島での行いのために規制当局によって調べられたのは、これが初めてではない。
2013年には、米国国税庁 (IRS) がCIBCファーストカリビアンに対し、米国で所得税を脱税した可能性のある同行の顧客についての情報を求めて、召喚状を送った。IRSのスポークスマンは、同庁がまだ同行の口座を調査しているかどうかについては、何も言うことを許されていない、と述べた。それでも、CIBCファーストカリビアンは、もし顧客が、海外のどこかに隠し口座を持つ者のように、秘密の口座を持っていることが分かった場合、その顧客が納税者としてより重い罰を受けることになるIRSの26の金融機関のリストに名前が載っている。
RBCのバハマでのビジネスは、マネーロンダリングと脱税事件のわなに嵌ってしまった。同行が5月に作成した規制関連のファイリングによると、同行は現在、フランスで相続税詐欺の共謀の罪に問われている。RBCは、フランスの法律に違反しているはずはない、と述べている。
バンクーバーにあるグローバル・セキュリティーズのストラテジスト兼リサーチ担当副社長のエルビス・ピカルド氏は、「(FIFAの) スキャンダルは、カナダの親銀行の不適切な管理やより広範な問題というよりも、ごろつきの一団に起因している可能性が高い。しかしながら、銀行が国外での買収を押し進める上で対処しなければならない可能性がある、より高いレベルでの評判上のリスクを指し示している」と話した。
執筆:ユアン・ロチャ、ジョン・ティラック、マイケル・アーマン追加取材:ワシントンのダウエ・ミデマー、モントークのティム・マクローリン
編集:ソヨン・キム、マーティン・ハウエル
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら