カナダの銀行がカリブ海で大損を出している FIFA不正献金がダメ押しになり撤退も
ロイター通信が以前に報じたとおり、ノバスコシア銀行は、地域のサッカー協会である北中米カリブ海サッカー連盟 (CONCACAF) の現役幹部と元幹部が起訴されたことを受け、同連盟に対して不正行為を一掃するよう要求している。
同行の立場に詳しい情報筋によると、もし不正行為が一掃されなければ、同行は、最近CONCACAFとの間で合意した巨額のスポンサー契約料の支払いを保留するという。
さらに、カナダロイヤル銀行は、起訴状で預金口座が違法な取引に使用されたと特定されているカリブの銀行グループと、ビジネス上のつながりがある。
これらの銀行は現在のところ、罪を問われていない。
それでも、スキャンダルとの関連性により、カリブ諸島でカナダの銀行が既に直面している問題が、深刻化することになるだろう。これらの銀行は、国際金融危機後、観光収入が減ってカリブ地域の島の経済が厳しさを増す中で、貸出金のポートフォリオ悪化と闘っているのだ。
カナダの銀行がカリブ海を離れる可能性
銀行関係者と弁護士によると、このスキャンダルは、カリブ地域でビジネスを展開する上で大きなリスクを負っていることを浮き彫りにした。そのため、カナダの銀行がカリブから撤退するきっかけになるかもしれない。
このような保養地は、企業の資本調達や一般消費者の借金を困難にすることによって、ただでさえ弱い経済が傷ついてしまいかねない。カナダのいくつかの銀行は、既に資産の売却や事業からの撤退を行っているが、カナダのすべての銀行が、この地域での計画についてのコメントを拒否した。
トロントに本拠を持ち、カナダの銀行の株式を保有するスティーブンソン&Co キャピタル・マネジメントのジョン・スティーブンソン社長は、「カリブ諸島は観光に深く依存した経済になっており、9・11テロ以降、本当の意味で立ち直ってはいない。銀行にとっては残念なことだ」と話し、「FIFAのスキャンダルは、あの地域から撤退する新たな理由になってしまっている」と続けた。
カリブ全域の17の市場でサービスを提供するCIBCファーストカリビアンは先週、FIFA問題の内部調査を始めたと述べた。同社は「すべての適切な手順を踏んで、当行が不正な目的のために利用されていないことを保証していきたい」としている。