「飽和するコンビニ」に成長余地が残っているワケ 店舗数は微減となっているが、狙える次のニーズ

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食を中心とした生活必需品の提供というニーズに対しては、スーパーが担っている役割は大きいのだが、これまではコンビニとスーパーは似て非なる業界として共存してきた。主に「即食」という時間を買うニーズに対応してきたコンビニが、スーパーが担っていた「内食」というニーズに対応できる環境が整ってきた。

人口減少・高齢化という社会構造変化を背景に、生活必需品の買い物需要が小商圏化しつつある、ということが背景である。人口が少なかったり、高齢化して遠くに出かけにくいといった理由でスーパー業態が成立しがたい場所が増えつつある中、そうした商圏で損益分岐点の低いコンビニが、スーパーのニーズにも対応するということだ。

北海道におけるコンビニの存在感の大きさ

実際に北海道におけるコンビニの存在感の大きさは、その先行事例として参考になるかもしれない。次の図表は、経済産業省の商業動態統計からコンビニ販売額と人口規模から地域別に一人あたり年間利用額を計算したものだ。北海道におけるコンビニ利用額は他の地域に比べてずば抜けて高いことが見て取れる。

この背景としては、人口密度が低く広がって居住している北海道においては、スーパーが少ない地域も多く、コンビニがその機能の一定部分を担っていると言われている。

また、冬季は遠くに買い物に行きにくいことも、近くにあるコンビニの利用度を高めているという事情もある。仮に、このような存在に本州以南のコンビニが進化して、北海道レベルまで利用度を上げることができたとすれば、コンビニ市場は2.8兆円拡張可能、そしてさらに1割アップすることができるなら、理論上は4.3兆円以上も市場拡大が可能なのである。

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