「飽和するコンビニ」に成長余地が残っているワケ 店舗数は微減となっているが、狙える次のニーズ
国内の買い物環境が、より小商圏化(遠くまで買い物に行けなくなるうえに、人口が減ってスーパーが成立しない地域が増える)という方向性に進んでいるのなら、コンビニの成長余地はここにもある、ということになる。
スーパーマーケットの内食ニーズを取りにいく
セブンイレブンは、2019年以降、「ワンフォーマットからの脱却」という方針を打ち出している。これは、個店の立地する商圏のニーズを詳細に把握して、すべてを取り込むことができることを目指して、きめ細かい対応を行っていく、という趣旨だ。その最大の対象ニーズといえば、スーパーマーケットが担ってきた地域の内食ニーズそのものを取りにいく、ということだろう。
少し前、話題になった、「SIPストア」という生鮮や日配品の品揃えを強化した実験店舗は、まさにこの方向性を目指した新たなフォーマット開発である。1号店は大都市郊外の住宅地における実験だったが、この成功をもって多店舗展開をするものではないことも表明されている。
これこそ、全国各地のさまざまなニーズに合わせて多様なフォーマットとして開発し、分散展開するという趣旨だと解する。経済産業省の商業動態統計によれば、飲食料品小売業販売額(食品を主として販売する小売業)だけでも48兆円あり、コンビニはこれを取り込むことで再成長ステージに立つことを目論んでいるのである。
今年の1月、イオングループの中四国地方のスーパーを統合したフジの経営方針発表会における岡田元也会長の発言が注目された。「今後の競合の大本命はコンビニとEC」「コンビニと共存できなくなる時代になり」という言葉の背景は、内食攻略を目論むコンビニを迎え撃つ、というスーパー最大手イオンの意思表示であるとみるべきであろう。生鮮、日配、冷凍食品などを中心に、どこまで内食需要に迫れるか、コンビニのチャレンジに注目したい。
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