「飽和するコンビニ」に成長余地が残っているワケ 店舗数は微減となっているが、狙える次のニーズ
コンビニの出店余地が乏しくなっているにもかかわらず、各社が出店を継続したことによって、加盟店間でのカニバリが厳しくなったことが背景にあり、こうした経緯を踏まえて、コンビニ本部は事実上、既存店に対する配慮を欠いた新規出店を控えざるをえなくなった。
その後、コンビニの店舗数は全体として横ばい、微減での推移となっている。最近は日販の向上に依存した成長に頼っている、というのが現状である。
【2024年5月17日14時00分追記】初出時、表の一部に謝りがあったため修正しました。
コンビニ市場拡大は店舗数増加が牽引
国内コンビニ市場拡大の経緯を振り返れば、その主たる成長要因は店舗数増加にあったことは、データで見ればすぐにわかる。次の図は、コンビニ販売額、店舗数、店舗あたり売り上げを、1999年を100として、長期時系列推移を見たものだ。店舗あたり売り上げも拡大してはいるものの、店舗数の増加が牽引して大きくなってきたことは明らかであろう。
こうした構造の業界にとって店舗を増やすことが難しくなれば、今後の成長が鈍化することは避けられない。ただ、国内コンビニ市場がもう成長しない、ということではなく、これまでのビジネスモデルを転換せざるをえない、と解釈すべきであろう。ビジネスモデルの転換とは、ざっくり言えば、①商圏を細分化して出店余地を生み出す、②新たな需要を取り込む、といった2点ということになる。
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