5月の日本株は「セル・イン・メイ」ではなく買いだ 世界の中で日本株だけが取り残されている?
これで「さあ、いよいよ反転開始」かと思われたのだが、翌8日の日経平均は前日の上げを帳消しにする予想外の下げになった。とくに悪役がいたわけではない。幅広く売られていたので、連休明けの7~10日の週は「オプションSQ(特別清算指数)算出の週」ということもあり、市場では「上げも下げもSQ絡みの事情があったのか」と思われていた。
最近は朝方が高く後半に下げるパターンが見られていたものの、週末10日の日経平均が高寄りしたあと、さらに上昇。9時40分に前日比667円高となって3万8700円台に乗せたときには、「SQが終わって、さあこれからだ」と思われた。
だが、直後から売られるいつものパターンに戻ってしまった。オプションSQ値は、弱い相場の象徴とされ、立ち合い中に一度もSQ値を上回らない、いわゆる「幻のSQ」でもなかった。
なぜ日本株は弱いのか? 兜町は「待ち作戦」
この日本株の弱さはどこから来ているのか。今週(13~17日)は16日に日本の1~3月期GDP速報値が出るが、民間シンクタンクのほとんどが「実質で前期比マイナス」を予想している。この辺も売り材料になっているのか。
あるいは、9日に出た3月毎月勤労統計調査で、実質賃金が前年同月比2.5%減と、過去最長の24カ月連続の減少となったことを嫌気したのだろうか。
さらに、欧州株は強いが半導体株人気が低下している米国株市場で、短期金利の利回りが長期金利を上回る逆イールド状態が続いているのを嫌気したのか。
はたまた、日経平均の予想EPS(1株当たり利益)が3月4日の2387円45銭をピークに、100円以上も低下して来たのを嫌気したのか。兜町は手詰まり感に陥っている。
現在の兜町筋の動向を集約すると、「とりあえず決算発表後のアナリストレポートが出そろうのを待って、マーケットがどんな様子になるか確認してから攻めよう」となっている。
連休前から始まった決算発表は、15日あたりでおおむね終わる。連休後に大量に出たこともあって、今のところ、アナリストたちは決算数字を集めるのに手いっぱいで、ゆっくりレポートを書くことができていない。だが、大半の発表が終わる16日あたりからは続々と出てくるはずだ。
2025年3月期を中心とする各社の今期予想傾向としては、為替を読み切れないことなどから、かなり慎重になっている。例えば、トヨタ自動車の想定レートも1ドル=145円となっている。現在の155円前後とのギャップを、アナリストたちはどう判断するのだろうか。
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