デモ参加のアメリカの学生たちが「怒っている事」 ガザ攻撃はあらゆる不正義の象徴だ

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しかし、セントルイスにあるワシントン大学の4年生、ライラ・スタインバックは、あの奇襲で複雑な感情が湧き起こったことを認めた。スタインバックは、奇襲で殺されたり人質になったりした人々を知っている。多くの抗議活動参加者と同じく、彼女もユダヤ人として育った。

「10月7日に起こったことは、解放と脱植民地化(デコロナイゼーション)にコミットする者として、自身の政治姿勢が試されるものだった」とスタインバックは述べ、こう続けた。「ハマスが行った暴力を非難しないのは難しい」。

それでもスタインバックは、「イスラエル人の暴力とアメリカ帝国主義の暴力、そしてイスラエルとアメリカがもたらした状況が、テロの温床になっていることも知っている」と話した。「天井のない監獄で育ち、孤児になり、悪いのはイスラエル人だと言われたら、信じてしまうと思う」。

学生デモ参加者のほぼ全員が、反ユダヤ主義を心から懸念していると述べた。

「反ユダヤ主義」の批判はお門違い

だがデモ参加者たちは、自分たちの周囲では反ユダヤ主義は目につかないと話した。野営地にも、ほかの抗議活動参加者の間にも、「川から海まで」というシュプレヒコールの中にも、反ユダヤ主義は見当たらないという(彼らの見解では、「川から海まで」はイスラエル国家を一掃せよという呼びかけではなく、平和と平等を求める呼びかけだ)。

4月28日、ピッツバーグ大学の野営地周辺に数十人の抗議参加者が集まっていた。同大学の数学科教員、アレクサンドラ・ワイナー(25)は、2018年に白人ナショナリストが銃乱射事件を起こし、礼拝者11人を銃殺したシナゴーグ(ユダヤ教礼拝所)「ツリー・オブ・ライフ」に通って育ったと語った。

一部のカウンタープロテスト参加者は野営地を反ユダヤ主義的だと非難していたが、ワイナーは「反ユダヤ主義な感情や考え方は経験したことも耳にしたこともない」と話した。

その日、数百人の抗議参加者が停戦を求めてキャンパスをデモ行進した。警察との短いにらみ合いの後、2人が逮捕された。野営地は30日には消えていた。

(執筆:Jeremy W. Peters記者)
(C)2024 The New York Times

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