デモ参加のアメリカの学生たちが「怒っている事」 ガザ攻撃はあらゆる不正義の象徴だ

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ほとんどすべての抗議団体は即時停戦に加え、イスラエルやイスラエル軍と利害関係のある企業に何らかの資金・資産の引き揚げを求めている。とはいえ、あらゆることがつながっているため、デモ参加者の中には別の目的を持つ人もいる。

パレスチナ人を支援する学生運動は、数十年にわたり別の問題と結びつくことで築き上げられてきた。1990年代初頭にカリフォルニア大学バークレー校で結成された「パレスチナの正義を求める学生の会(SJP)」は、環境活動家や、ラテンアメリカに対するアメリカの介入に反対する勢力、湾岸戦争を批判する勢力など、意識的にパレスチナ関連以外の活動家を招き入れ、団体の裾野を広げてきた。

現在、同団体の全国運営委員会は、アメリカ国内を中心に200以上の自治支部が存在すると主張している。また、ほかの学生団体と協力することも多い。

連合体の形成は強さと誇りの源となっており、デモ参加者に世の中の多くの人々が味方だという感覚を与えている。

ベトナム反戦デモとの明らかな違い

しかし、親イスラエル派の学生や卒業生を激怒させている現在の運動は、南アフリカのアパルトヘイトやベトナム戦争に対するかつての抗議運動とは明らかに異なると学者たちは指摘する。

コロンビア大学で公共政策を教えるティモシー・ナフタリは、1960年代のベトナム反戦デモでは、民族として攻撃されていると感じるような層は存在しなかった、と述べた。

「現在のデモは、ベトナム戦争時の反戦デモよりもはるかに大きな形で不安感を生み出しているのではないだろうか」とナフタリは話した。

現在の分断の中心となっているのは、ハマスと反ユダヤ主義だ。

取材の中で、昨年10月7日にイスラエルを奇襲し、約1200人を殺害した過激派組織ハマスについて質問すると、多くの学生は口を閉ざすか、あの攻撃はひどかったと答えるにとどまった。

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