「運が悪い」と思う人が簡単に運気を上げるコツ 脳は簡単に自分の言葉やアクションに騙される

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どうしてこのような違いが出るかというと、不運な人は幸運な人よりも緊張しやすく、その緊張によって写真以外の予想外の出来事に気づきにくくなると分析されます。

結局、自分が不幸だと思っていると、視野が狭くなって、せっかく幸運が転がっていても見逃してしまうということです。

この実験について、ワイズマンは英国放送協会(BBC)の番組でこう語っています。

「パートナーを見つけるために参加したパーティーで、よき友人に出会う機会を逃してしまう」

「特定の求人広告を見つけようと新聞に目を通し、他の求人広告を見逃してしまう」

写真を探そうと集中しすぎて、250ドルを失うのは痛手ですが、それだけなら笑い話にもできます。

自分の周りをハッピーでラッキーなことばで、いっぱいにする

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だから、まずは「自分はラッキーだ!」と思うところからはじめる。脳科学の研究でも、脳は複雑怪奇でいながらも、簡単に自分自身で発することばやアクションに騙されてしまうというとても単純なところがあることが分かっています。

本気で思っていなくても、声に出して「自分はラッキーだ!」と何度も脳に聞かせると、脳を騙すこともできるのです。言霊は迷信ではありません。

幾多の科学的実験で実証されている事実なのです。むしろ、ことばを自分を緊張やストレスから遠ざけるおまじないにしてしまいましょう。

「ことばはその人の世界観をつくり出す」というのは、アメリカの言語学者ベンジャミン・ウォーフが提唱したとても有名な言語学の理論です。ラッキーでハッピーな世界が自分の目の前に広がるように、まずは自身を彩ることばをハッピーでラッキーなもので埋め尽くすようにしてください。

<参考文献>
[1] Damisch, L., Stoberock, B., & Mussweiler, T. (2010). Keep your fingers crossed! How
superstition improves performance. Psychological Science, 21(7), 1014–1020.
[2] Beecher, H. K. (1955). THE POWERFUL PLACEBO. JAMA, 159(17), 1602–1606.
[3] Kennedy, W. P.( 1961). The nocebo reaction. Medical world, 95, 203–205.
[4] リチャード・R・ワイズマン(矢羽野薫 訳)(2004). 『運のいい人の法則』KADOKAWA.
堀田 秀吾 明治大学教授

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ほった しゅうご / Syugo Hotta

言語学博士。熊本県生まれ。シカゴ大学博士課程修了。ヨーク大学オズグッドホール・ロースクール修士課程修了。言葉とコミュニケーションをテーマに、言語学、法学、社会心理学、脳科学などのさまざまな分野を融合した研究を展開。熱血指導と画期的な授業スタイルが支持され、「明治一受けたい授業」にも選出される。研究の一方で「学びとエンターテインメントの融合」をライフワークとし、研究活動において得られた知見を活かして、一般書・ビジネス書等を多数執筆、テレビ番組にも出演する等、多岐にわたる活動を展開している。

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