“石橋たたく”キヤノン、カメラ好調でも業績は慎重視

拡大
縮小


テクノ・システム・リサーチの大森鉄男氏は「唯一の懸念があるとすれば、交換レンズの研磨工程ではないか」と語る。本体とセット販売されるケースが多い交換レンズは、ガラスの厚みを削るための作業が不可欠。キヤノンは研磨工程を外注している比率が高いようだが、この作業員が業界全体で慢性的に不足しているのだ。

取り巻く環境も楽観視できない。下期の想定為替は1ドル=80円、1ユーロ=115円。円高進行に、電力不足問題も渦巻く。もっとも、会社計画は「最悪シナリオ」を想定した手堅い数値。一眼レフ販売が800万台超となれば、営業益は4000億円台に乗り、前期実績(3875億円)を超えるのは確実だ。

キヤノンの業績予想、会社概要はこちら

[+画面クリックで詳細チャートを表示 <会員登録(無料)が必要です>]

(梅咲恵司 =週刊東洋経済2011年8月6日号)

※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT