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あのシーバス社も始めた「脱炭素」計画の凄い中身 「500年の歴史誇る」スコッチ業界の新たな挑戦

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  • ケリー狩野 智映 フリーランスライター、コピーライター、メディアコーディネーター、翻訳者
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だが、どのような取り組みも、政府の政策的支援や資金援助なしには実現しがたい。

「脱炭素化の実現に必要な資源と財源を確保するには、個々の組織レベルでは力不足。産業を代表する声として、政府と密接に協働し、働きかけるのは、スコッチウイスキー協会の重要な機能の1つです」とピギン氏。 

スコッチウイスキー協会、産業サステナビリティ部長のルース・ピギン氏(写真提供:Scotch Whisky Association)

イギリス中央政府は2022年、実現可能性が実証された蒸溜所脱炭素プロジェクトに助成金を支給する、総額1000万英ポンド(約19億円)超の「グリーンディスティラリーズ・コンペティション基金」を開設したが、これはこの「声」がいかに重視されているかの証しだ。

先述のアービキー蒸溜所はこの基金から300万英ポンド(約5.7億円)、ブルックラディ蒸溜所は250万英ポンド(約4.7億円)、ビームサントリーのプロジェクトは294万英ポンド(約5.5億円)の助成金を獲得している。

一方、シーバス・ブラザーズ社の熱回収システムは、スコットランド自治政府の「産業エネルギー変革基金」から資金援助を受けた。

会社の垣根を越え知識や資源を共有

スコッチウイスキー業界の結束力の強さは、知識やリソースの共有にも見て取れる。

シーバス・ブラザーズ社は、グレントファース蒸溜所の熱回収システムの設計と導入からの学びの詳細を無償で公開し、グループ外の蒸溜所にも共有している。

「私たちが持続可能な開発における共通の目標を達成し、私たちの製品と地球の長期的な未来を確かなものにするには、産業全体での協働が肝要です」と語るのは、同社の会長兼CEOのジャン=エティエンヌ・グールグ氏。ネットゼロの達成は、競争ではなく、共走と共創が可能にするのだ。

スコッチウイスキー協会の専門家チームは、それぞれの蒸溜所のニーズや課題に応じたガイダンスを提供するだけでなく、テーマ別ワークショップなどを通じて、会社の垣根を越えた知識や資源の共有と協働を円滑化することで、産業ぐるみの取り組みを支援している。

「収集したデータの分析結果と、これまでの進捗を考慮すると、2040年までに製造工程の完全脱炭素化は、現実的な目標だと考えています」と、ピギン氏は説明する。

一致団結して本気で脱炭素化を進めるスコッチウイスキーに、これまでに増して奥の深い魅力と味わいを感じるのは筆者だけであろうか。

【写真を見る】あのシーバス社も始めた「脱炭素」計画の凄い中身 「500年の歴史誇る」スコッチ業界の新たな挑戦(10枚)

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