「SEX AND THE CITY」が今さら批判され始めた訳 1998年放送の第1話でドナルド・トランプに言及

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Netflixで初めてこのドラマを見たこれらの若い人たちがこの後も見続けたなら、第3シーズンのある回にも、大きく反応すると思われる。その回で、深夜に近所にやってくるトランスジェンダーの売春婦に悩まされるサマンサは、彼女らのことを「半分男、半分女」と表現。「ペニスのある女。胸はあるけど下には睾丸がある」とまで言う。

このシーズンの別の回には、付き合い始めた男性がバイセクシャルだと知ったキャリーが、パニックするくだりもある。自分は古風だから受け入れられないと、キャリーは友人たちに告白。「バイセクシャルなんて本当に存在するのかしら? ゲイになるまでの途中通過点なんじゃないの?」とも、彼女は言う。

その話を聞いたミランダ(シンシア・ニクソン)は、「両方に手を出すのは欲張り」だとバイセクシャルの人たちを一蹴。シャーロット(クリスティン・デイヴィス)も、「はっきりラベルを貼るべきよ。ゲイなのかストレートなのか決めて、そこにとどまるべき」と主張する。性的流動性がよく聞かれる現代にしてみれば、古い会話だ。

このドラマのクリエイター、ダーレン・スターも、脚本家、製作総指揮、監督を長年務めたマイケル・パトリック・キングもゲイ。キャリーの親友としてゲイのキャラクターは初回から登場するし、ある段階でサマンサはレズビアンと交際する。当時のほかの作品に比べれば、このドラマの製作者たちはLGBTQをずっと受け入れていた。そんな彼らでも、バイセクシャル、トランスジェンダーについての配慮は、当時十分でなかったということだ。

お酒を良く描いていたが…

お酒の描かれ方に対する批判も、そのうちぶり返してくるかもしれない。このドラマでキャリーたちがいつも飲んでいるコスモポリタンは、当時、女性の間で大人気カクテルになった。ほかの登場人物たちも、ディナーやバー、パーティ-ーのシーンで必ず何か酒を飲んでいる。

しかし、依存症への理解が高まってきた近年では、お酒を素敵なもの、セクシーなもののように出してくることに、一部から警告の声が上がっているのである。

(写真:Moviestore Collection/AFLO)
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