専業主婦から「アンダークラス転落」への危険経路 貧困に陥りやすい女性の構造的な原因

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フリーターに決まった定義があるわけではないが、多くの場合は、既婚女性を除く34歳以下の非正規労働者と定義されている。要するに若年アンダークラスのことだから、これらの研究は、どのような若者がアンダークラスになりやすいのかを明らかにしようとしたものと考えてよい。

アンダークラスに陥りやすい女性とは

2022年三大都市圏調査データで初職時点でアンダークラスだった人の比率を男女別にみると、男性が9.0%、女性が13.2%、男女計で11.1%だった。したがって、先の⑴の結論は支持される。それでは、どのような女性がアンダークラスになりやすいのか。詳しくみていこう。

下の図表は、父親の学歴、15歳当時の家のくらしむき、本人の学歴、卒業から最初の就職までにかかった期間、就職の際に先生や学校からの紹介があったか否かを区別して、初職時点でアンダークラスだった女性の比率をみたものである。

父親の学歴とアンダークラス比率の間にははっきりした関係がなく、高校程度の場合がやや高くなっている。これは少し意外な結果だが、アンダークラスをシングルマザーとそれ以外に分けて分析すると、父親の学歴が低いとシングルマザーのアンダークラスになりやすいことが確認される。

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