理想汽車は3月1日のMEGAの投入と同時に、レンジエクステンダー型EVの「Lシリーズ」3車種をマイナーチェンジし、2024年型モデルとして発売した。ところが3月の商戦では、2023年まで絶好調だったLシリーズの売れ行きまでもが落ちてしまった。
「わが社の販売部門は(MEGAの発売準備に注力するあまり)、Lシリーズの顧客向けに割くサービスの時間と精力を大きく減らしてしまった」。前出の社内メールのなかで、李CEOはそう率直に判断ミスを認めた。
Lシリーズの販売減速の背景には、レンジエクステンダー型EVの競合車種が台頭してきた影響もある。なかでも理想汽車に脅威を与えているのが、通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)が中堅自動車メーカーの賽力斯集団(セレス)と共同で立ち上げた新興ブランド「問界(AITO)」だ。
問界の2024年1月から2月までの販売台数は、(BEVとレンジエクステンダー型EVの合計で)同じ期間の理想汽車の販売台数を上回った。
失地回復へ戦略見直し
MEGAの不発とライバルの追い上げを受け、理想汽車は2024年1~3月期の販売目標を下方修正した。具体的には、10万~10万3000台としていた目標を7万6000~7万8000台に引き下げた。
マーケティング戦略の見直しにも着手した。李CEOは3月11日、MEGAのユーザーにより良いサービスを提供する(ことで顧客満足度を高める)ため、急速充電ステーションの建設を加速する方針を打ち出した。
さらに、翌3月12日にはLシリーズの実売価格を5000元(約10万5100円)値下げしたほか、売れ筋の「L7」と「L8」に廉価グレードを追加すると発表。失地回復に向けたテコ入れを急いでいる。
(財新記者:安麗敏)
※原文の配信は3月21日
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