販売台数は減少「テスラ」に何が起きているのか ライバル各社は軒並み増やしているのに…
テスラがより手頃な価格の車を出せば、より幅広い購入者層に訴求するのに役立つだろう、とローズは語る。
確かに、販売台数減少の一部は、ベルリン近郊にあるテスラ工場での放火による火災など、同社のコントロールが及ばない生産上の問題によるものであった可能性はある。
また、テスラ車には今でも多くのファンがいる。
株価は今年に入って30%以上下落
しかし、投資家の懸念は明らかだ。テスラの株価は今年になって30%以上下落しており、販売減が明らかになった2日には5%落ち込んだ。理由は、同社が勢いを失ったという懸念にある。
中国でテスラは、BYDをはじめ世界進出を目指す数十社のライバルと対峙している。ヨーロッパでは、フォルクスワーゲンやBMWといった老舗の自動車メーカーが、一段と魅力的なバッテリー駆動モデルを発表。
そしてアメリカでは、EV販売は1年前に比べ伸び悩んでおり、代わりにガソリンエンジンにバッテリーと電気モーターを組み合わせたハイブリッドモデルが選ばれることが多くなっている。
量産EVの先駆けとなったテスラだが、車種ラインナップの古さは拭えない。2020年以降に投入された新型車は、昨年に台数限定で発売された未来的なピックアップトラック「サイバートラック」のみ。テスラが今年納車できるようになるとしている最安モデルは約8万ドルからと、大半の自動車購入者には手が届かないものになっている。