日経平均が再び4万1000円を超えたらどうするか 4月から年末までの「日本株投資戦略」を考える

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一方、この間はアメリカでも3月19~20日に連邦公開市場委員会(FOMC)が開催された。FRB(連邦準備制度理事会)は予想どおり、政策金利にあたるフェデラルファンド(FF)金利を据え置いた。FOMC参加者の政策金利水準の見通し(ドットチャート)では、2024年の利下げ回数見通し(1回の利下げ幅を0.25%と仮定)が3回で維持されたため、FOMCの内容は全般にハト派寄りの評価となったようだ。

FRBの「追加利下げが緩やかになる可能性」に注意

ただ、気がかりなのは、FOMC参加者19名の2024年末の政策金利予想の中央値が約4.6%と、年内3回の利下げをかろうじて示唆していることだ。この背景には最近の同国の指標、特に1月と2月の消費者物価指数(CPI)で、構成指数の一部が市場予想を上回るなどの強い結果となったことがあると考える。

もっとも、FOMC後の記者会見でジェローム・パウエルFRB議長は最近のインフレ率の上昇は一時的な変動の可能性があることを示唆している。

また、FOMC参加者の経済成長率見通しは上方修正され、失業率見通しがおおむね下方修正(改善)された一方で、インフレ鈍化を見込むことから、FRBがハードランディングを回避しながらの利下げに自信を深めつつあるように思われるその中で、パウエル議長が利下げ開始時期について「年内のある時点」になる可能性が高いという従来の発言を繰り返したことも、ハト派寄りと見られる。

ただし、追加利下げのペースは緩やかとなる可能性には注意が必要だ。FOMC参加者のFF金利見通しを見ると、2025年末、2026年末は前回から上方修正されており、2025年以降の利下げペースはこれまでの想定より緩やかとなることが示唆されている。パウエル議長の会見でも、インフレ動向については「インフレ率は依然として高く、低下するかは不確実」「長期的なインフレ期待は依然として定まっていない」と述べている。仮に利下げを開始したとしても、インフレ低下を確認しながらの、慎重かつ緩やかな利下げペースとなることが想定される。

なお、景気をふかしも、冷ましもしない金利(中立金利)の代替と見られている長期のFF金利は、今回の見通しで2.6%と小幅ながら上方修正された。目先の利下げ開始時期議論にはほぼ影響はないと思われるが、利下げ終了時の金利水準を押し上げる可能性もあり、今後も注意を払う必要はありそうだ。利下げ開始後の緩やかな追加利下げペース見通しと、年内3回の利下げ見通し維持の組み合わせには違和感も残る。

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