日経平均が再び4万1000円を超えたらどうするか 4月から年末までの「日本株投資戦略」を考える
その理由を説明しながら見ていこう。この間、日本銀行は歴史的な金融政策の転換に踏み切った。日銀は3月18~19日の金融政策決定会合で金融政策の枠組みを見直した。植田和男総裁は「最近のデータやヒアリング情報から、賃金と物価の好循環の強まりが確認されてきており、2%の『物価安定の目標』が持続的・安定的に実現していくことが見通せる状況に至ったと判断したため」と説明した。
今回の会合で金融政策の枠組みをどのように見直したのか。同会合で決定した金融政策の枠組みの見直し項目と主な変更点の内容は以下の5つだ。改めて確認したい。
従来はマイナス0.1%(当座預金の「政策金利残高」)だったものを、マイナス金利を解除して、0~0.1%程度(無担保コール翌日物金利)に変更。当座預金を1構造に集約して金利を0.1%に。
(2)YCC(イールドカーブ・コントロール)の撤廃
従来はYCC(イールドカーブ・コントロール)で1.0%を長期金利上限のめどとしていたが、廃止。急激な金利上昇には国債買い入れで対応。
(3)国債買い入れ継続
従来は「大規模な国債買い入れを継続」だったものを、「これまでとおおむね同程度の金額(月間買い入れ額約6兆円)で長期国債の買い入れを継続」と変更。
(4)リスク資産の買い入れ終了
ETF(上場投資信託)とJ-REIT(不動産投資信託)は、新規買い入れを終了。社債とCP(コマーシャルペーパー)などは、段階的に減額し1年後をめどに終了。
(5)声明文(フォワードガイダンス)
従来は「必要があれば、躊躇(ちゅうちょ)なく追加的な金融緩和措置を講じる」としていたが、「当面、緩和的な金融環境が継続する」と変更。
市場は日銀が「想定以上のハト派」と受け取った
植田総裁は「マイナス金利政策やイールドカーブ・コントロールなどの大規模な金融緩和は、その役割を果たした」と述べ、短期金利の操作を主たる政策手段として、経済・物価・金融情勢に応じて適切に「普通の」金融政策を運営すると強調した。
ただ、市場が特に注目したのは(5)だ。日銀が想定以上のハト派(緩和的な政策を選好)だと受け取られ、円相場は1ドル=151円台までの円安となり、日経平均株価は22日に史上最高値を更新した。
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