FRBが利下げに動く一方、日銀は利上げへ。金融市場を待ち受けるシナリオとは?
FRB(米連邦準備制度理事会)は、9月18日のFOMC(米連邦公開市場委員会)で、政策金利の0.5%引き下げを決めた。FRBの利下げは、コロナ禍を受けて政策金利を一気にゼロまで引き下げた2020年3月以来、4年半ぶりのことだ。
これは、アメリカのみならず世界の経済が抱える課題が、「物価安定の回復」から「景気減速の回避」へと移っていることを象徴的に示すものといえる。そして、FRBの利下げによって、日本とアメリカの金融政策が逆方向に動くという異例の事態が生じている。
コロナ禍やウクライナ戦争をきっかけとした予想外の物価高騰を受け、FRBは2022年3月から2023年7月にかけて計11回の利上げを実施し、政策金利を2001年以来の高水準にまで引き上げた。さらに、その高水準を1年以上据え置いてきた。
しかし、足元では物価上昇率が着実に低下を続ける一方、労働市場の弱さを示す指標が増えてきたことから、FRBのジェローム・パウエル議長は今年8月のジャクソンホール会合で「政策を調整する時が来た」と述べ、利下げに転じることを強く示唆した。
FRBの政策金利の変更は、0.25%が通常の幅だ。2022年3月以降の利上げ局面では、物価高への対応が遅れたとの危機感からFRBは0.75%という異例の大幅利上げを連続して実施したが、初回の利上げ幅は0.25%だった。また、2016年の利上げ開始時と、2019年の利下げ開始時も、0.25%幅の政策金利の変更だった。
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