東京と大阪にある「日本橋駅」、意外に多い共通点 ニホンバシとニッポンバシ、読み方は違うが…

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関西で日本橋と言えば電気街「でんでんタウン」をイメージする人も多いだろう。高島屋東別館の南に広がるこちらは、近年はアニメやゲームの聖地としても知られており、専門店が軒を連ねる堺筋の1本西側の道は「オタロード」と呼ばれている。

近鉄の広報部に利用者について聞くと「比率としては通勤客が多いものの、電気街や黒門市場に向かう人もおり、最近はアニメファンが目立っている」とのこと。それとは別に「インバウンドの人たちが改札前で待ち合わせをするシーンもよく目にする」という。

大阪の日本橋オタロード
大阪の「日本橋オタロード」(筆者撮影)

実は日本橋は、インバウンド向け観光バスの発着場になっており、筆者が訪れた日も、橋の上にバス待ちの外国人観光客が集まっていた。たしかに周辺には道頓堀や電気街など観光スポットがいくつかあるし、ホテルも難波を含めてたくさんあるので、この地を発着場としたようだ。

東西の「日本橋」の最近の動きは?

最近の動きとしては、まず東京の日本橋駅では、銀座線の駅のリニューアルがある。東京メトロ広報部によると、リニューアルは下町エリアと位置づけた浅草―神田間に続くもので、銀座駅や青山一丁目駅などとともに2020年に実施。ちなみに「日本橋駅は両隣の三越前、京橋駅とともに商業エリアに位置づけている」(同社)という。

大阪の日本橋駅周辺では、難波と天王寺を結ぶLRT構想がある。

難波から堺筋に出て、電気街を縦断し、新世界の近くにある阪堺電気軌道阪堺線恵美須町停留場に接続したあと、新世界や天王寺動物園の中を通って、同じ阪堺電軌の上町線天王寺駅前停留場に到達するというものだ。

この計画は、2012年に大阪府が策定した「グランドデザイン・大阪」に記されていたが、その発展形として一昨年に定められた「大阪のまちづくりグランドデザイン」では、具体的なLRT計画の記述はなく、「新たなモビリティを活用したまちづくり」の項目のひとつとして、LRTが紹介されるにとどまっている。

ただし計画を見る限り、まったくの新規路線ではなく、阪堺電軌の難波延伸という位置付けであり、整備費用は新規路線ほどにはかさまないだろう。阪堺電軌の利用者増加に寄与するのはもちろん、電気街は堺筋線日本橋駅と恵美須町駅のほぼ中間にあるので、LRTができればアクセスしやすくなりそうだ。

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森口 将之 モビリティジャーナリスト

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もりぐち まさゆき / Masayuki Moriguchi

1962年生まれ。モビリティジャーナリスト。移動や都市という視点から自動車や公共交通を取材。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。著書に『富山から拡がる交通革命』(交通新聞社新書)。

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