通常の鉛筆のように握っても握りやすく、棒を持つように人差し指をペン先に伸ばしても持ちやすい。そして適度な重さは、滑らかにペン先を滑らせてくれる。
「FiftyThree Pencil」は、Bluetoothでタブレットと通信をし、対応している同社のアプリPaperで、単なるタッチ以上の機能をスタイラスに持たせることができる仕組みを備えている。
Bluetoothスタイラスはその機能性が魅力だが、電池交換や充電の面倒さがネックだった。Pencilは、その問題も、快適に解決してくれているように思う。
とがったほうのペン先をそのまま引き出すと、中からモジュールが姿を現す。その先端はUSB端子になっており、充電する際はそのままUSBポートに差し込むだけでいい。
特別な充電器なども必要ないため、パソコンだけでなく、スマートフォンや、モバイルバッテリーで充電できる点もありがたい。使いたいときに使えないというのが、Bluetoothスタイラスにときおり訪れる不便なポイントだっただけに、Pencilの手軽な充電方法は魅力と言える。
ビジネスにデッサンを取り入れる
スマホアプリの「Paper by FiftyThree」(アップルのWebサイトへ移動します)は、Pencilと組み合わせて利用することができるデッサン・スケッチアプリだ。Pencilの筆圧感知や、ペンのお尻についている部分でなぞると、消しゴムのような役割を果たし、いちいちツールを切り替えなくてもいいのだ。
デッサンやスケッチは、なにもアート向けのものではない。ビジネスの現場でも、何かアイデアを考えたり、伝えにくい事柄をわかりやすく表現する際に、こうした作業は重要となる。
とはいえ、筆者はデッサンやスケッチはあまり得意ではない。紙の上でもキレイな円が描けないのに、タブレットとスタイラスでうまくいくとは、到底、考えられなかった。
そうしたユーザーにとっても、PencilとPaperの組み合わせは最適だ。
Paperに新たに搭載された機能に、「Think Kit」がある。ダイアグラム、フィル、カットの3つのツールで構成されるこの機能は、すらすらと見栄えのする図を作り上げる際の効率性と、絵心のなさを補ってくれる。
ダイアグラムは、たとえば円、四角形、三角形、矢印など、図解で用いられる図形をフリーハンドで描くことができる機能だ。これに、色をつけることができるフィルと、スケッチ系アプリでありながら図形が自由に動くカットを組み合わせて、素早くアイディアをスケッチできる。
きれいに描けるようになれば、そのままスライドで利用したくなるはずだ。もちろん、PowerPointやKeynote、PDFによる出力をサポートしており、手書きで描いたアイデアをプレゼンで見せることができる。
デジタルスタイラスとして比較的に価格も手ごろながら、アプリとの組み合わせで絶大な効果を生み出せる1本、試してみてはいかがだろうか。
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