中国の電池メーカーは海外市場での存在感を高めているが、同時に新たな難題にも直面している。世界の自動車市場でEVの販売増加の勢いが鈍り、車載電池の搭載量の伸びも減速に転じたことだ。
SNEリサーチのデータによれば、中国を除く世界市場における車載電池の搭載量は、2017年から2023年にかけて年平均58.2%のペースで伸び続けていた。しかし2023年の単年では、前年比の伸び率が43.2%に低下。2024年1月の単月では、前年同月比30.1%の伸びにとどまった。
乗用車以外の用途を積極開拓
EV需要の伸びが鈍化した要因について、SNEリサーチは金利の高止まりや(富裕層以外には)高すぎる車両価格、充電インフラの不足などを挙げる。さらに、アメリカの「インフレ抑制法」の施行により、アメリカ市場では中国製の車載電池を搭載したEVが優遇税制の対象外になったことも、中国の電池メーカーにとって大きなマイナス要素だ。
そんななか、CATLは乗用車のEV以外でまとまった電池需要が見込める新分野を探索している。2月27日には、中国の建設機械大手の龍工控股と戦略提携契約に調印。エネルギー消費と二酸化炭素(CO2)排出量が大きい建設機械の電動化を共同で推進する。
大型トラックの電動化も大きな可能性を秘めた分野だ。3月上旬に開催された中国人民政治協商会議全国委員会の会議で、同委員会の委員を務めるCATL董事長(会長に相当)の曾毓群氏は、大型トラックの電動化を加速するよう(中国政府に)提案した。
(財新記者:安麗敏)
※原文の配信は3月9日
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