「小田急の顔」ロマンスカー乗務員に必要な条件 運転士・車掌の経験3年、さらに訓練、試験、研修
2024年3月上旬のある日、神奈川県海老名市にある海老名本社の会議室に喜多見、大野、海老名、足柄の4つの乗務所から、普段は一般車両に乗務する13人が集まった。1~2月に実施した技能確認試験に合格した運転士・車掌たちだ。この日開催したのは「新人ロマンスカークルー研修」。1日かけて乗客とのコミュニケーション力に磨きをかける。
冒頭、運転車両部の山﨑直課長は「ロマンスカーは会社の顔ではあるが、『車両がカッコいいから、展望席があるから』という理由ではなく、クルーの個性があるからこそほかの有料特急とは違うと自信を持っている。ぜひ自分らしさを出してほしい」と呼びかけた。
乗客からはさまざまな要望
講師は社員研修などを手がける「オンリーワン」(東京都武蔵野市)のスタッフが務める。言葉づかいや姿勢に関してレクチャーするほか、ロールプレイングでは乗客役を演じる。各参加者は「箱根まではどのくらい時間がかかるのかしら?」「(子どもの設定で)どうやったら運転士になれるの?」「一緒に写真に撮ってもらえる?」といった実際にありうる質問・要望への対応を演習した。
研修を担当する運転車両部の菅井利一さんは「ロマンスカーはお客さまと接する時間や頻度が一般車両とは違う。接遇スキルを学んでステップアップし、新人ロマンスカー担当者として楽しんで乗務してもらいたい」と狙いを説明する。同部の新井友章さんも「コロナ禍でお客さまと接する機会が少なかったので、研修を通して自信を持ってもらいたい」と話す。
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