「小田急の顔」ロマンスカー乗務員に必要な条件 運転士・車掌の経験3年、さらに訓練、試験、研修
喜多見乗務所の主任車掌、柴﨑泰史さんは15年の車掌のキャリアがある。ロマンスカーの乗務は過去にも経験しているが、長く一般車両の車掌の養成に携わっていた。「コロナ禍後にお客さまが戻ってきているのを見て、自分の持っている経験やスキルを後輩に伝えていきたい」と試験を受け、2023年にロマンスカーの乗務に復帰した。
柴﨑さんは「ロマンスカーは外国人のお客さまが多い印象。以前はカタコトの会話だった英語もいまは翻訳アプリでコミュニケーションが取れるようになった。お客さまを目的地まで安全にお連れするのは大前提だが、いちばん大事なのは快適に乗っていただくこと」と語る。
3年経過後さらに訓練・試験
乗務員になるためにはいくつもの関門がある。小田急の場合、車掌はまず駅に配属後、車掌任用試験、車掌科養成教育(学科・実技)を経て独り立ち(社内では「単独」という)する。そして運転士は、車掌を経験したあと、運転科任用試験、運転科養成教育(学科・実技)を経て単独で乗務する。
そこからロマンスカーの営業列車に乗務できるようになるにはさらに社内の資格が必要だ。車掌・運転士とも単独3年経過すると新人ロマンスカー担当者教育として学科教習と試験があり、合格すると実技訓練に移る。実技訓練後、技能確認試験に合格すると次年度の4月1日よりロマンスカーに乗務することができる。
ベテラン乗務員でも2年ごとに任用試験を受ける必要がある。
2023年12月時点で小田急の運転士総数は476人、車掌総数439人、乗務助役101人(運転士と車掌の合計)。このうち、ロマンスカー担当者は運転士234人、車掌182人となっている。
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