初日はM1から「B100」号線、通称「グレートオーシャンロード」と呼ばれる海岸沿いの風光明媚な路線を走り、見どころをチェックしながら西へ。夏から秋に入ったばかりの平日であったが、観光地や観光スポットのある街の中では、観光客の姿が多かった。
この道からケープ・オトウェイという古い灯台のある岬へ入る脇道の途中で、野生のコアラを見つけたのは僥倖(ぎょうこう)だった。大きさから見てまだ子どもで、道路沿いのユーカリの高木の枝にしがみついて寝ている様子は、本当にかわいらしかった。
この日は、500kmあまりを走り、海沿いのポートランドという小さな街のモーテルに宿泊した。運転者が泊まることを前提に運営されるモーテルは、アメリカに多い印象が強いが、オーストラリアやニュージーランドの街々でも、多数見かける。
設備は簡素だが、コテージ風の部屋の真ん前にクルマを停められることが多いので、大きな荷物を持っての移動も楽だ。夕食は近くのレストランでとり、朝食は前日に頼んでおくと、朝指定した時間にトーストや卵料理を持ってきてもらえた。クルマの旅行では、重宝する宿泊施設である。
ポートランドはビクトリア州の中でも最初にヨーロッパ人が定住した街で、歴史的な建物が通りに沿って数多く残る素敵な街であった。
世界遺産を見学してメルボルンへ
翌日は、ポートランドから40km余りの距離にある「バジ・ビム国立公園」のビジターセンターを訪れ、そこで世界遺産「バジ・ビムの文化的景観」を見学する現地ガイドのツアーに参加した。
このセンターは、この地で暮らしていた先住民による世界最古のウナギの養殖システムを見学する基地で、ビジターセンターの内外やそこから少し離れた先住民の生活の場を、他のツアー参加者20人ほどとともに、およそ3時間かけて見学した。
一帯は野鳥の楽園で、ここでも野生のカンガルーに逢うことができた。ツアー後は、ビジターセンター内のレストランで、ウナギの燻製などの「ウナギのお試し料理コース」を味わい、ひとやすみ。
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