異次元緩和は終わっても、異次元相場はまだ続く 日経平均は「マイナス金利解除後」どうなるのか

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そんな中で、3月15日には加盟組合員約700万人を擁する連合(日本労働組合総連合会)が、今年の春闘の第1回回答状況を公表した。経営側から回答が示された771社の労働組合の平均賃上げ率は5.28%と、事前予想の4.1%や前年同時点の予想3.80%を大きく上回り、33年ぶりに5%を超える水準となった。

日本銀行の植田和男総裁はすでに2月29日のG20後の記者会見で「春闘の数字が出てくるのは3月以降で、集計された数字が出てきたところで、ヒアリング等を加えて、各回の会合で議論していく」と述べている。

また、3月7日の参議院予算委員会では「賃金と物価の好循環の強まりを確認できれば、マイナス金利政策やイールドカーブ・コントロール(YCC)の枠組みなど、さまざまな大規模緩和策の修正を検討していくことになる」と言明している。

これらを総合して考えると、18~19日に開催される日銀金融政策決定会合での政策修正の可能性は、大きく高まったことになる。現在の短期政策金利の-0.1%を0.1ポイント以上引き上げて、ゼロ〜+0.1%に誘導する案が有力で、2016年2月に開始されたマイナス金利政策はこれで終了することになる。

「カジノ」がまだ繁盛すると言えるワケ

金融政策の変更があるという意味で、まさに今は微妙なタイミングと言えるが、直近の2月24日、「投資の神様」ウォーレン・バフェット氏は、株主へ送った恒例の「株主への手紙」で、アメリカの株式相場を「カジノ的だ」と指摘したのは読者も知っておいでだろう。

確かに、3月12日にはS&P500種指数や独DAX指数が史上最高値を更新し、15日も仏CAC40指数が4連続(2月には7連続)で史上最高値を更新した。アメリカだけでなく、欧州相場も「カジノ的」と言えるかもしれない。

しかし、このカジノはまだまだ繁盛すると思っている。なぜなら、インフレに対抗するために、米欧の金融当局は利上げ政策を続けてきた。だが、2月29日のG20でアメリカを中心にソフトランディングがベースラインになりつつあることが確認された。

つまり、金融当局の勝利と言えるような適温経済への方向性を評価して「カジノは盛況になっている」のであって、決してバブルではない。

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