株主A「株主提案の際にも言及された、ペンタックスの買収について。デジタルカメラ事業についてはリコーに移管したが、ライフケア事業の買収効果はどうなっているのか」
鈴木CEO「ペンタックスはカメラ事業を売却し、全体の資産を圧縮することで、かなりの現金を生むようになった。人工骨事業、内視鏡事業がこの会社にもたらした企業価値を含めて考えると、十分なリターンがあった投資だと考えている」
株主B「コーポレートガバナンス・コード(企業統治指針)などの動きによって、他社が最近やっと入れはじめた社外取締役を、この会社は20年前から入れている。一部では『外部の人間に何がわかる』とも言われるが、社外取締役を導入する利点や目的を教えてほしい」
鈴木CEO「当社の取締役のうち、社内取締役は私だけでほかはすべて社外という、変わったガバナンスの会社。基本的には事業を運営する人間と、それを監督する人間を分離すべき、という考え方が基本にある。私は両者を兼務する形にはなっているが、基本的には執行する立場。究極のことを言えば、私の経営がまずいとき、私の首を切ることが社外取締役の役目だ、と理解してほしい」
「昼食が混むから途中で打ち切る」?
高山氏「当社は1995年に社外取締役を導入している、コーポレートガバナンスの模範企業だが、”仏作って魂入れず”となっていないか危惧している。去年の株主総会は鈴木議長が『この辺の昼ごはんが混むから途中で打ち切ろう』などと発言するなど、非常に乱暴な運営だった。そうした総会で本当にいいのか社外取締役の方々に聞きたい」
鈴木CEO「昼ごはんの件については、審議を円滑に進めることを目的としたお願いとして、そういった発言をした。総会を打ち切ったわけでもないし、なんら問題はないと理解している。ガバナンスに本当に魂が入っているかについては、小枝至社外取締役に話してもらう」
小枝社外取締役「取締役会では、毎回事前に勉強してから出席しているが、他の経験がある取締役から違う意見が出るなど、いつも厳しい論議をしている。そういう意味では、当社の業績や執行役の経営に寄与しているのではないか、と考えている。ただ、別に、われわれが一番模範的であるとは思っていない。これから改善するべきこと、努力するべき点は、多々あると思っているので、これからも努力していこうと思っている」
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