「10分の細切れ集中」で自分を差別化する方法 10分で集中が切れても仕事に支障はない

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大量の情報にさらされることで、頭はもちろん、特に「目」が疲労します。リモートワークで身体はそれほど疲れないはずなのに、なぜか疲労が取れない。それはひょっとすると情報過多による「頭」と「目」の疲れかもしれません。

こうした疲れは身体の疲れに比べて自覚しにくいため、疲れているのに刺激を求めて、常時オンライン接続の状態で情報の波間を漂い、また疲れる……そんな負のサイクルを繰り返している現代人が、集中できるわけがないのです。

かといって、集中しなくていいと言っているわけではありません。誰もが集中できなくなっている以上、集中が差別化のためのコアスキルであることは、まぎれもない事実です。

「集中」の定義を変えよう

ただ、「集中」というものの定義を変えてほしいのです。おそらく、多くの人が思い浮かべる集中というものは、このように「『集中するぞ!』と決意し、どこか邪魔されない場所にこもり、1時間なり2時間なり、あるいは半日くらいかけ、一心不乱にそれを行う」ということだと思います。

でも、それが実際には今の時代、難しいのは前述のとおりです。そもそも、「長時間集中し続けることは、人間にとって自然なことではない」のです。

「人間の集中力はどれだけ保てるのか」についてはさまざまな研究やデータがありますが、多くのデータは「人間の集中力は、それほど長くは続かない」ことを示しています。

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私が一番しっくりきているのは、「集中できるのは、長くても10〜15分」というデータです。私もそうですが、10分も同じ作業をしていると、いつのまにか別のことが頭に浮かんできたり、つい身体を動かしたくなってきたりします。以前は私もそんなときに「集中しなければ」と思ったものですが、今では集中力が切れたサインだとわかっていますので、ここで5分くらい休みを入れます。

それでも、特に仕事に支障は出ていません。コンサルティング業や執筆業を行いながら、企業の人事改革プロジェクトに携わったり、各種セミナーで講師を務めたりと、複数の仕事を無理なくこなすことができています。

だから皆さんも、「ああ、また集中できなかった」「仕事に集中しようにも10分が限界だ」と嘆いて、自分を責める必要はありません。

大事なのは、その集中できる10分あるいは15分をフルに使って集中すること。そして、集中できなくなったら休むこと。いわば「細切れの集中」です。

「集中するためにまとまった時間を取る」、そして「頑張って長時間、集中状態を保つ」という発想を捨ててしまいましょう。それがむしろ、あなたの集中力を奪ってしまっているのです。

大嶋 祥誉 センジュヒューマンデザインワークス代表取締役

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おおしま さちよ / Sachiyo Oshima

センジュヒューマンデザインワークス代表取締役。エグゼクティブ・コーチ、組織開発・人材育成コンサルタント。上智大学外国語学部卒業。米国デューク大学Fuqua School of Business MBA取得。米国シカゴ大学大学院人文科学学科修士課程修了。マッキンゼー・アンド・カンパニーでは、新規事業の立ち上げ戦略、全社戦略立案、営業戦略立案などのコンサルティングプロジェクトに従事。その後、ウイリアム・エム・マーサー、ワトソンワイアット、グローバル・ベンチャー・キャピタル、三和総合研究所にて、経営戦略や人材マネジメントへのコンサルティングおよびベンチャー企業支援に携わる。

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