長期投資、今始める人に教えたい「銘柄選び」のコツ 「値上がり益」に注意を向けてしまうと挫折する

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日産自動車のカルロス・ゴーン会長逮捕や東芝の粉飾決算は寝耳に水だったが、多くの場合、業績の急変や経営スキャンダルの予兆が見つかれば大々的に報道される。

ちなみに、私も現役時代、日産のゴーン会長の公私混同の噂は小耳にはさんでいたが、まさか金融商品取引法違反や特別背任罪の容疑で逮捕されるとは思わなかった。自分の感度の悪さを恥じるしかない。

リスクを知らせる「カナリア」を見逃すな

大企業以外の中小、零細企業では、日本経済新聞のような大メディアでもノーマークの場合がある。証券会社も大手企業や話題の注目銘柄には多くの人材を張り付けてフォローしているが、人気のない企業や値動きの少ない小型株はほとんどノーマークだ。

したがって、中小型銘柄では事業環境の急変で一気に"サドン・デス(株価の致命的な下落)"を迎えることがある。

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業績不振のニュースが出たときは、株価が致命的な大暴落をしていたということだって起こりうる。

しかし、大企業には「炭鉱のカナリア」が数多くいる。

炭鉱のカナリアとは、炭鉱等で有毒ガスが発生した際に、人間よりも先にカナリアが察知して鳴き声が止むことに由来し、まだ起きていない危険や目では感知できない危険を知らせる人、または状況を意味している。

日ごろから『会社四季報』や大新聞の企業記事を見る習慣を付けておきさえすれば、「カナリア」の異変を早く察知して、傷が深くならないうちに別の大企業に乗り換えることができるはずだ。

川島 睦保 フリージャーナリスト、翻訳家

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かわしま むつほ / Kawashima Mutsuho

フリージャーナリスト、翻訳家。1955年生まれ。1979年横浜国立大学経済学部卒業、東洋経済新報社入社。1991年から92年までフルブライト・プログラムでハーバード大学経済学部客員研究員。2000年『オール投資』編集長、2002年『週刊東洋経済』編集長、2009年東洋経済新報社取締役出版局長を経て、2017年に退社。訳書にニコラス・レマン著『マイケル・ジェンセンとアメリカ中産階級の解体:エージェンシー理論の光と影』(日経BP 2021年)、ダレル・リグビー, サラ・エルク, スティーブ・ベレズ著『AX戦略:次世代型現場力の創造:巨大組織の進化形』(東洋経済新報社 2021年)などがある。

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