もしうまく青ワークに切り替えられたとしても、そこでバリエーションを減らそうとする(青ワークにふさわしくない)言葉が発せられると台無しになる。
必要に応じて赤から青へと仕事のモードを切り替えるには、言葉を変える必要がある。
たとえば尋ね方として、「確かか?」と「どの程度確信がある?」ではどんな違いが出るだろうか。
前者では、回答する側には認知能力はほとんど必要ない。「確かか?」という問いに対しては、「はい」か「いいえ」の二択で回答すればいいからだ。
一方、「どの程度確信がある?」という尋ね方の場合、答える方には、認知能力的にも負担が増えるし、回答の幅も広がる。
「それでいいか?」という言葉の意図とは
では、「それでいいか?」と「見落としていることは何か?」なら、どうだろうか。
「それでいいか?」という質問は、話し合いから決定に導こうとするもので、ものごとを先に進めたい、時間どおりに終わりたいという欲求を満たすものだ。
一方、「見落としていることは何か?」という質問は、作業の遅れを生むかもしれない。時間を無駄にしているような気持ちにさせられる。
赤ワーク(実行)をしているときには、次のような言葉がよく使われる。
◆「やり遂げよう!」
◆「これを終わらせよう」
◆「計画どおりに進んでいるか?」
では、青ワークのときはどうだろうか。青ワークを行うときは、意識を向ける対象を広げ、静かに内省し、他者の視点や考えに興味を持ち、現実的な選択肢を増やすことが有効だ。
青ワークは意思決定をはじめ、認知能力を使う仕事である。それは頭のなかで行われ、目に見えない。そのため、外部からの観察や追跡は困難だ。
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