現代の婚姻数が大幅に減少しているのは、個々人の意識の問題ではなく、結婚のハードルがあがったという構造の問題としてとらえるべきです。婚姻減は、「一生結婚しない」という選択的非婚が増えているからだけではなく、同時に、「結婚したいのにできない」という不本意未婚が増えているという事実が隠れています。
以前の記事(「不本意未婚」結婚したいのにできない若者の真実)でもご紹介しましたが、結婚を希望する未婚男女がどのくらいその希望を達成できたかの推移をみると、1990年代は男性で8割、女性はほぼ10割達成できていのに、2015~2019年においては、男女とも6割を切るようになっています。つまり、不本意未婚が4割以上に増えているということです。
年収という視点でデータを深掘りすると…
さらに深掘りして、年収別に20~30代男女の結婚を希望する未婚人口と実際に結婚した既婚人口との差を比較してみます。
出生動向基本調査には、年収別の結婚意思データがないため、2020年に私が独自に調査した未婚男性20~30代の年収別結婚前向き率のデータを2020年国勢調査の20~30代未既人口に掛け合わせて、「結婚に前向きな未婚人口」を算出し、既婚人口の年収別人口とどれくらい差があるのかをグラフ化しました。
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