爆速で成長、中国BYD「テスラキラー」誕生の秘密 笑いものだった会社はなぜ頂点に立てたのか

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王はまた、リチウムイオン電池における業界標準の化学物質(ニッケル、コバルト、マンガン)を、より安価な鉄とリン酸塩に置き換える方法を発見した。ただ、安価な化合物で作られた初期のバッテリーはすぐに電池切れを起こし、短距離の移動でも再充電が必要だった。

2020年、BYDは「ブレードバッテリー」を導入。これにより、ニッケル・コバルト電池との間に存在した航続距離のギャップを、わずかなコストで大部分解消することに成功した。

BYD
BYDの本社そば並ぶ新車のEVタクシー(写真:Gilles Sabrié/ The New York Times)

15カ月で3倍になる「城塞都市」

同じ年、テスラが中国で自動車の製造販売を大規模に開始すると、EV熱が中国全土を席巻。BYDは、安価なバッテリー物質とエッガーのニューデザインで波に乗る準備を整えていた。

テスラも、価格が低めのモデルにはリン酸鉄リチウムイオン電池を採用し始めている。BYDが依然として航続距離が短めの安価な車種を中心に展開しているのに対し、主に航続距離の長い高価な車を販売しているのがテスラだ。

BYDは現在、香港に隣接する中国南東部の都市、深圳に自社の城塞都市を構え、そこでは空港式のモノレールが、18階建ての社宅からBYDのオフィスタワーや研究所へと従業員を運んでいる。

深圳のセンターでエンジニアをしているリウ・チアンチアンは15カ月前にGMから移籍してきたが、以来、彼の自動車開発チームのスタッフはほぼ3倍になったという。

「すごいペースだ」とリウ。

加えてBYDにはまだ、テスラに対するある優位性が残っている。PHEVを開発するという、王が2011年に下した決断によるものだ。PHEVは今も、BYDの販売の半分近くを占めている。

(執筆:Keith Bradsher記者)

(C)2024 The New York Times

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