もっとも、実際のところ県はJR東海に昨年11月29日付で実施案を了解するという文書を送付している。つまり県はすでに了解しているのだ。従って、「引き続き対話が必要」といっても前提がくつがえるなどよほどのことがない限り時間がかかることはないはずだ。
環境保全と発生土に関する21項目については、対話が終了したものが1つもないとしており、国の有識者会議の報告書と真っ向から対立している。その理由を県に問うと、端的に言えば事前調査に関する見解の相違だ。
工事の実施前に調査を行い、工事がもたらす生物への影響の予測・評価を行い、それに基づき、計画を立案、実行、モニタリング、さらに必要に応じて計画を見直す。このPDCAサイクルのプロセスを県と国は「順応的管理」と呼び、その基本的な考え方は両者とも同じ。違いは事前調査をどこまでするかという点に尽きる。
国の有識者会議の中村座長は「何年かけてもパーフェクトなものはできない。不確実性の中で決めていかなくてはいけない」と述べるが、県の石川英寛政策推進担当部長は、「調査が足りないまま工事を始めたときに、取り返しのつかない結果が出ることを危惧している」。そのいっぽうで、「100%を目指し、何年もかけてやれというつもりはない」とも述べた。
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