YKK新社長に生え抜きの猿丸氏が就任、吉田会長と2頭体制に 「顧客視点に立った、実行、迅速重視の事業運営目指す」

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YKK新社長に生え抜きの猿丸氏が就任、吉田会長と2頭体制に 「顧客視点に立った、実行、迅速重視の事業運営目指す」

ファスナーの世界トップメーカー、YKKは6月30日、新経営体制を発表した。吉田忠裕前社長(写真右)が代表取締役会長CEOに、元取締役副社長ファスニング事業本部長の猿丸雅之氏(写真左)が代表取締役社長に就任した。吉田前社長は、実父でYKK創業者・吉田忠雄氏の死去後に社長に就任。以来18年間社長を務めており、創業家出身者以外の社長就任は初めて。建材事業子会社YKK APでも、6月9日に吉田氏が会長に、堀秀充氏が新社長に就任しており、吉田社長のワンマン体制から、それぞれツートップ体制に移行する。

30日の就任会見で、吉田会長はこのタイミングで猿丸社長を後任に選んだ理由を以下のように語った。

「1999年に執行役員制度を導入した際、執行役員の上限年齢を65歳と定めた。私(現在64歳)が65歳になるまでに交代することを念頭に置いていたが、現行中計の2年目に当たる前11年3月期を好業績で折り返すことができたこともあり、タイミングとしては今年がよいと判断した。猿丸新社長は、ファスニング事業本部長として4年近くの経験がある。YKKは海外70カ国位に展開しているが、猿丸氏は拡大基調にあるアジアの事業にはいちばん精通しているし、問題点もよく知っており、それをリードして利益を含めて伸ばしていける人だと考えている」。

「会長と社長の役割分担についてもよく聞かれるが、この会社にはこれまで会長職が存在しなかったこともあり、まだよくわからないというのが正直なところ。ただ、会社が大きくなっていく中で、社長と一緒に事業を進めることができればと思う。経営の体制としてはより布陣が厚くなった。私はYKK APの会長兼CEOも兼ねており、2社をうまく束ねていければ、と考える」。

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