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24時間テレビ「再発防止策」は延命措置にすぎない 募金着服問題に進展…と言えるのだろうか?

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  • 城戸 譲 ネットメディア研究家・コラムニスト・炎上ウォッチャー
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最大の問題は、一連の対策が「集める側の理屈」でしかなく、思いを託す一般視聴者を意識していないことだろう。

募金する側としてみれば、1円でも多く活用してほしいはず。コストが増えれば、本来社会貢献に使われるはずだった「浄財」は、そのぶん目減りする。

プロに頼むということは、それなりの費用がかかる。さすがに各業者も手弁当で行ってはくれないだろうし、むしろ協力者に「ボランティア」を強いてしまえば、それこそテレビ業界の傲慢さ、やりがい搾取を象徴する出来事になってしまう。

もっとも、こうした外部委託費を募金から出すことはないだろうが、「その分を放送局が上乗せできていれば」とネガティブな感情は残る。視聴者も、例年と同額を募金したとしても、決済手数料で中間マージンが増えれば、地球を救うための「愛」が削られる。

元はといえば、募金着服は「日テレ系列内のガバナンス問題」でしかないのに、視聴者の負担になっている印象を覚えさせる。流通業界であったら、消費者から嫌われがちな「ステルス値上げ」をしているようなものだ。どう考えても、悪手でしかない。

時代の変化のなかで渡されつつある引導

前述した昨年11月のコラムでは、「貢献の可視化」が求められる時代に合わせ、募金システムそのものを根本的に変えなければならないと提案していた。しかし、実際に出された再発防止策は、その要求を満たしておらず、一時的な延命措置にしかならないと感じられる。

金で芸能人やスタッフを動員する時代は、もう終わった。日本武道館のような大箱を押さえ、思いつく限りの人気者を並べた「お祭り」自体は、1年に一度くらいあってもいい。

しかし、そこにチャリティーやボランティアを絡めるのは、そろそろ限界なのではないか。コストを抑えた「アイデア勝負」の番組制作や集金体制に切り替えない限り、テレビを拠点にした社会貢献活動は難しいだろう。

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