また、あらかじめ使用する枕を顧客データに登録しておけば、チェックイン前に客室に入れておいてくれるサービスも。枕は8種類合計で宿泊人数分用意されているが、日によっては人気が偏り、好みの枕が使えないこともあるからだ。
経営品質本部 本部長の星山英子氏は、「登録については受付で自己申告もしていただけますが、スタッフがお客様との会話から、『毎回この枕を使われる』と気づいて行うこともあります。一度登録いただければ、全チェーンでその枕をご用意しておきます」とほほ笑む。
試行錯誤の結論は「人それぞれに好みが違う」
選べる枕はゲストからも好評だ。それを示すのが公式ECサイトの売れ行き。約5000~9000円と比較的高額ながら、一番の売れすじ商品となっている。そんな8種のラインアップについて、ここで簡単に解説しよう。
まずは、いわゆる「そば殻枕」に近い、パイプ入りの硬め枕。次に、香りのいいヒノキチップ入りの低反発枕。そして、ポリエステルのふわふわ枕。首のカーブにフィットする山型タイプの低反発枕は、高め・普通・かなり低めと3段階の高さで用意されている。そのほか、低反発のやわらかめ枕と、もっちりふわふわな女性専用枕がある。
「女性専用枕は女性のお客様からのご要望を受けて、オーダーメイドの枕ショップ『じぶんまくら』さんと共同開発したものです。首にフィットする形状と、肩から首全体をふんわり包み込む感触が魅力です。私自身、包まれて幸せになれるので、“姫心地気分”と呼んでいます」(星山氏)
女性に人気の枕はこれに次いで、ポリエステル入りのふわふわ枕、低反発枕の低めタイプの順番。高めの枕は苦手な人が多く、また、「首の角度が鋭角になることで、シワができるのが気になる」という理由から、低めを選ぶ傾向があるそうだ。一方、男性に人気なのは、硬めのパイプ枕と、ヒノキチップ入り低反発。さらに、高めの低反発タイプだ。
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