日本の従業員が「世界一やる気がない」本当の理由 やる気の低下は事実だが、それ自体は重要ではない?

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さらにウィルソン氏は、「1位でも最下位でもso what?(だから何?)。私を含めてアメリカの経営者の多くは、従業員のやる気とか熱意をそんなに気にしていない」と言いました。

「やる気満々だけど成果を出せないAさんとやる気は低いけど成果を出せるBさんなら、どっちを雇いたい? Bさんでしょ。ちゃんと働いてくれたら高い給料を払うし、働きが悪かったら辞めてもらう。やる気・熱意よりも、成果を生む能力があるかどうかでしょ」

職務のあいまいさが不満の原因

さて、ここからは、統計上、日本の従業員のやる気・熱意が低いとされている理由の考察です。

アメリカでは、担当する職務や報酬を明確に決めて従業員を雇用するジョブ型雇用が一般的です。従業員は、決められた職務を遂行し、決められた報酬を受け取ります。従業員の働き方や職務満足を得るための道筋がはっきりしており、あとは頑張るだけです。

一方、日本では、職務を明確にせず、従業員に色々なことをさせます。たとえば、営業担当者が「売る」だけでなく、メンバーを育成し、評価し、他部門と交流し、社外活動に参加し……という具合です。どこまでが本来業務なのか不明確ですし、目標や達成期限も明示されません。

そのため従業員は、自分が会社から何を期待されているのか、目標をどう達成したらよいのか、達成できているのかいないのか、よくわかりません。真面目な人ほど、「何をすればいいんだ?」「俺って会社にとって何なの?」「いつまでこの状態が続くんだ?」と不安・不満になります。

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