この1年で「売れた・売れなくなった」商品トップ30 全国のスーパーやコンビニのデータから判明

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

2023年の特徴としては、記録的な猛暑となったことも挙げられる。水分補給や熱中症対策の用途で飲料の需要が高まったが、とりわけ好調だったのが3位の果汁飲料、4位の美容・健康ドリンク、5位のミネラルウォーター類だ。

果汁飲料や美容・健康ドリンクでは、鉄分やミネラルを含むなど熱中症対策となるだけではなく健康にもよいと訴求する商品が人気となった。ミネラルウォーター類の人気は、健康を意識して水分補給の際に糖分の摂取を控えたいという意識の表れではないだろうか。

また、8位のトマトジュースも好調で、食塩無添加で血中コレステロールを下げる効果があると訴求する商品や、ストレスを緩和すると訴求する商品などが人気だ。猛暑の影響で生鮮トマトが不作となり急激に値上がりしたことも、代替としてトマトジュースの需要を高めたと考えられる。

ブロッコリーなど冷凍食品が好調

好調な商品からは、簡便化志向の高さも見られた。外出や出社が増えたことで簡単に食事を準備したいという需要も強まっているのだろう。2位の液体だしは、北海道産の濃縮昆布だしが中心で、水やお湯などで薄めるだけで本格的な味を楽しめる調味料だ。

7位の冷凍水産、12位の冷凍農産、24位の冷凍調理と冷凍食品全般が好調となった。冷凍食品は、冷凍庫に備蓄でき、必要な時に必要な量だけ使えるという簡便さが強みの食品である。

冷凍水産は、シーフードミックスを中心とする魚介類の冷凍食品で、生鮮の魚のように下処理をしなくても、炒め物や麺類などの料理にそのまま使用できるものだ。

冷凍農産では、2026年から約50年ぶりに指定野菜に追加される予定のブロッコリーが前年比121.8%と大きく伸長。2019年との比較では198.2%とおよそ2倍にまで市場が拡大した。栄養価もさることながら、生鮮のように下茹でやカットなどの手間がかからないことも人気の理由と見られる。

冷凍調理では、主食とおかずがセットになったワンプレートものがとりわけ好調で、前年比139.6%、2019年比では477.8%と5倍近くにまで増加した。1品で食事が完結する簡便さだけではなく、豊富な品数で食事のバランスのよいものから主食に揚げ物を組み合わせた食べ応えのあるものなど幅広いラインナップがあるため、人気となっているようだ。

2023年は、ポストコロナを象徴するように、コロナ禍で苦戦していた商品が伸びる一方で、コロナ禍に伸長していた商品の販売減も見られた。そうした中でも、食品・飲料では、健康への効果や簡便さを訴求する商品の好調が続いている。2024年も経済活動の回復傾向は続く見込みであり、生活者の消費動向も変化していくのだろう。

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事