この1年で「売れた・売れなくなった」商品トップ30 全国のスーパーやコンビニのデータから判明
続いて、売り上げが落ちたもののランキングを確認したい。前年と比較して苦戦していた商品では、コロナ禍に伸長していた商品の販売減が目立った。1位の体温計、2位の殺菌消毒剤、3位のマスクは、感染対策でコロナ禍に売れていた代表的な商品だ。コロナの5類移行や感染者減少を背景として、需要が急減していることが見て取れる。
7位のうがい薬や、コロナの抗原検査キットが牽引していた10位の検査薬も、コロナ特需の縮小で減少した。ただし、マスクの2019年比は232%とコロナ前の2倍を超える規模を維持している。感染不安からマスクの着用を続けている人も少なくないためだろう。
5位のオートミールや6位の麦芽飲料は、コロナ禍に健康やダイエットにいいと注目を集め急伸していた。急伸した反動で減少が見られているものの、2019年との比較ではオートミールは1022%と10倍を超えており、コロナ前よりも市場が大きく成長したことがわかる。
「売り上げが伸びた」商品トップ30・食品・飲料版
「売り上げが伸びた」商品トップ30全体では、医薬品・化粧品・雑貨が目立ったが、食品・飲料に絞ったランキングではどういった変化が見られたのだろうか。
食品・飲料の分野では、原材料高などを背景とした値上げによる販売金額の増加も見られるが、ランキング上位の商品は販売数量でも底堅く推移した。とりわけ好調だったのが、健康系の食品・飲料だ。
1位の乳酸菌飲料は、ストレスの緩和や睡眠の改善に効果があると訴求する商品が人気となっている。5類移行に伴い、在宅勤務から出社に切り替えるなど生活習慣が変化したことで、新たなストレスを抱えている人も少なくないのかもしれない。
乳酸菌飲料は腸活の用途でも飲用されるチルドタイプの商品だが、乳酸菌を加熱殺菌し製品化した10位の乳酸飲料も、腸活や免疫力向上の効果を訴求する商品として好調だ。コロナが沈静化しつつも風邪やインフルエンザなどの感染症が広がるなど感染への不安は根強く、免疫力の向上につながる腸活の需要が底堅いようだ。
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