大金持ちが株価大暴落こそ儲けられると考える訳 まともに被害に遭う人と全く影響受けない人の差

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3
拡大
縮小

彼らは暴落相場を、いっぺんに数年分の資産を稼げるチャンスだと見なしている。暴落時は巨大な富の移動が起こるが、この大移動の特徴は、貧困層のお金が富裕層へと流れ、富んだ者はますます富むという点だ。水が下から上へと流れないように、一方通行であることが特徴だ。

もちろん、富裕層の誰もがこの恩恵にあずかるわけではない。人々が絶望し、恐怖に震え、資産を投げ売りするとき、闇のなかへと足を踏み入れる人たちにしかできない所業だ。

数百年にわたって彼らは成功し続けている

お金は君を見ている 最高峰のお金持ちが語る75の小さな秘密
『お金は君を見ている 最高峰のお金持ちが語る75の小さな秘密』(サンマーク出版)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

彼らは、リスクが最大化して誰も買いを入れず、資産を投げ売りするようなときこそ、最もリスクが小さい状況なのだと知っており、行動に移すことができる人たちだ。

こんなときは、景気の先行きに関しても極論が横行するが、それでも彼らは投資をやめない。産業や経済に対する根本的な価値を信じ、最終的に世界が前進すると信じる楽観主義者たちだ。

彼らの野心は、常に成功してきた。

数百年にわたって彼らが成功し続けているという前例があるにもかかわらず、いざそのときになると、私たち個人投資家のほとんど誰もがうつむいてやり過ごしてしまう。状況が落ち着いて顔を上げたときには、楽観主義の資産家たちはすでに大きな財を築いている。これが世の常というものだ。

世の中には、山で落石に当たって死ぬ人もいれば、石を避けて生き延びる人もいる。さらには、その石を売って儲ける人もいる。最も大きな富の移動は、常にこのようなかたちでおこなわれてきたのだ。

キム・スンホ スノーフォックスグループ会長

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

きむ すんほ / Kim Shengho

韓国人として初めて、アメリカでグローバル外食企業を成功させた実業家。創業したスノーフォックス社は、世界11カ国に3900の店舗と1万人の従業員を抱えるグローバル企業。韓国中央大学校ではグローバル経営者養成コースの教授も兼務。韓国と世界を行き来しながら、最近5年間で3000人あまりの事業家を養成。「社長を教える社長」として知られる。本書は、インターネット上で動画が1100万回以上再生された「伝説のお金の授業」の書籍化。2023年まで4年連続でベストセラーとなり、100万部に到達した国民的な「お金の教科書」。

この著者の記事一覧はこちら
関連記事
トピックボードAD
マーケットの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT