中国の石炭生産は、マクロ経済の変動と中国政府の産業政策の影響を強く受ける。2014年から2016年にかけては、中国経済の成長ペースが鈍化するなかで生産量が3年連続減少。多数の炭鉱が赤字に転落したため、中国国務院は2016年2月、新規炭鉱の建設認可を3年間停止すると通達した。
中国政府は同時に、生産効率が低かったり安全対策に問題があったりした炭鉱の閉鎖を進めた。業界団体の中国煤炭工業協会の資料によれば、13次五カ年計画(2016~2020年)の期間中に淘汰された炭鉱は生産能力換算で年間10億トン超に上る。
その後、中国経済の復調に伴って石炭需要が回復に転じ、2017年以降の生産量は7年連続で増加し続けている。
供給の柔軟性損なうリスク
そんななか、石炭業界内では将来の増産余地の払底を懸念する声が上がり始めている。中国国内の(優良な)石炭資源には限りがあるからだ。
「政府の強力な増産政策は、多数の炭鉱で超過採掘を招いた。生産設備の稼働率は上限いっぱいに達しており、今後は(経済的に採掘可能な)資源量の減少や石炭の品質低下が予想される。現水準の生産量を維持するのは困難であり、(市場の変化に対応するための)供給サイドの柔軟性が損なわれるリスクがある」
財新記者の取材に応じた石炭業界のベテランアナリストは、そう警鐘を鳴らした。
(財新記者:蘆羽桐)
※原文の配信は1月17
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