「話が面白くない人」に共通するたった1つの事 「むずかしいことをやさしく」伝える技術

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話が、量的に難しいとき。たとえば、映画や小説の内容を要約しろだとか、職場で起こっている課題を説明しろと言われた場合、話すべきことが多岐にわたりすぎて、そのまましゃべっても相手に伝わりにくいはずだ。

そうした場合に選択する方法は、「具体を抽象化する」。皆さんがやるべきは、その膨大な事項を、一言、せいぜい2-3にまとめるなら、どういうことになるのかを考えることである。

具体的で伝わらないときは抽象化する

情報過多な話は、抽象化する

なるべく本質的なことを失わないようにしながら、抽象化してシンプルにまとめる。「職場の課題は一言でいうなら若手のモティベーション低下です」「ガンダムというのは、戦争の中でのヒューマンドラマなんです」「ラグビー日本代表が躍進できたのは、ONE TEAMになれたからです」「ももいろクローバーは、いつだって全員が全身全霊、一生懸命だから、推せるんです」などなど。

具体で話していても、結論が伝わらないなと思ったら、シンプルに要点をまず抽出して、それに沿って厳選したエピソードをひもづけていく。そちらのほうが、相手には内容を理解してもらえるようになるのである。

論理的な話し方にも、具体と抽象という2種類のアプローチがある。話のむずかしさが質にあるのか量にあるのかを特定し、一方で伝わらなければ、他方を使う。皆さんの中には、自然と使い分けていた方もおられるだろうが、以後はぜひ意識的にこれを使い分け、ご自身のプレゼン能力アップに活用してもらいたい。

中川 功一 経営学者、やさしいビジネスラボ代表取締役

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なかがわ こういち / Koichi Nakagawa

1982年生まれ。2004年東京大学経済学部卒業。08年同大学大学院経済学研究科博士課程修了。経済学博士(東京大学)。大阪大学大学院経済学研究科准教授などを経て独立。現在、株式会社やさしいビジネスラボ代表取締役、オンライン経営スクール「やさしいビジネススクール」学長。専門は経営戦略、イノベーション・マネジメント。「アカデミーの力を社会に」を使命とし、経営スクールを軸に、研修・講演、コンサルティング、書籍や内外のジャーナルへの執筆など、多方面にわたって経営知識の研究・普及に尽力している。YouTubeチャンネル「中川先生のやさしいビジネス研究」では、経営学の基本講義とともに、最新の時事解説のコンテンツを配信。

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