蓄電システムの生産能力過剰は、各地のプロジェクトの競争入札で落札価格の急落を招いた。儲能連盟のデータによれば、2023年12月の平均落札価格は蓄電システムの設備容量1Wh当たり0.79元(約16円)と、1年前のほぼ半値に下落。大手電力会社が実施した競争入札では、1Wh当たり0.6元(約12円)未満で応札する業者も現れたという。
「1Wh当たり0.7元(約14円)を下回る応札は、どう見ても原価割れだ」。中国の大手電池メーカーで蓄電システム事業を担当する幹部は、財新記者の取材に対してそう顔をしかめた。
値下げ競争が体力奪う悪循環
儲能連盟の説明によれば、落札価格の大幅な低下は、一面ではリチウムイオン電池の原材料相場の急落に連動したものだ。電池用炭酸リチウムのスポット取引価格は2022年11月の1トン当たり約60万元(約1220万円)をピークに下落が続き、2023年末時点では同約10万元(約203万円)と6分の1になっている
だが同時に、蓄電システムの需要拡大を当て込んで新規参入が増加したことも、値下げ競争の火に油を注いだ。一部の企業は安値応札で受注を確保しようと必死だが、利益を削れば技術力の向上や新製品開発に資金を回す余裕はなくなる。その先に待っているのは淘汰の道だ。
(財新記者:盧羽桐)
※原文の配信は1月8日
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