これがKINTOの場合、KINTOのWEBサイトから「ポチるだけ」で、契約する相手は自動車メーカーでも販売企業でもなく、KINTOとなる。
契約が成立すると、クルマはユーザーの居住地に近い新車販売企業から納車され、点検や修理などもその新車販売企業で行う仕組みだ。
つまり、自動車メーカーからユーザーへの直販ではなく、新車販売企業にとっても台数としての売り上げが立つ。ただし、KINTOは保険などがコミコミであるため、その部分で新車販売企業への影響がある。

それでも、いわゆる「若者のクルマ離れ」に一定の効果が見込まれ、新車販売企業としては中長期な視点ではKINTOをプラス要因として見る場合も少なくない。
いずれにしても、KINTOの新車サブスクは、製販分離という業界の基本構造の中で成り立っていることになる。
理想的な「所有から共有」の時代は来るのか?
100年に1度の自動車産業大変革の代名詞として、2010年代半ば以降、ドイツのメルセデス・ベンツ(当時はダイムラー)が用いたマーケティング用語「CASE」がグローバルで広まった。
先にも触れたが、コネクテッド、自動運転、シェアリングなど「所有から共有」に対する新サービス、そして電動化の4つを指す。
このうち、コネクテッド、自動運転、電動化については技術を主体とした分野であり、2020年代に入ってからもグローバルで大きな進展があった。
一方、「所有から共有」については、昨今日本でも話題の「ライドシェア」や近距離移動アイテムとしての「電動キックボード」など、新しい移動の仕方として「所有しないで移動する」分野の可能性が広がっている状況である。
だが、前述のように新車サブスクは、既存の業界構造を抜本的に変革する仕組みではないため、本質的な「所有から共有」とは言えない。
クルマの「所有から共有」の本質は、需要に応じたクルマの種類、台数、使用する場所や期間からバックキャストした、「生産の最適化」にあるはずだ。

だが、自動車メーカー各社の幹部は、こうした論点について「いつかはそうした時代が来るはず」というコメントはするものの、具体的な時期を示そうとはしない。製販分離という業態の抜本的な変革という、極めて大きな仕事が必要だからである。
はたして2030年代の東京オートサロンでは、「所有から共有」の領域でどんな変化が起こっているのだろうか?
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