「子どもが欲しい」年収1500万54歳婚活男性の誤算 「お金があれば若い女性と結婚できる」は本当か

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しょうじには父親から受け継げる資産があり、本人も高収入なので、「これから子どもを授かったとしても、生活費も学費もパートナーに心配をかけることはない」と言った。

さらに、こう続けた。

「先日、大学時代の仲間との飲み会があって、この話をしたんですよ。そうしたら、参加していた女性の1人が、『そんなこと言ったって、もう54歳でしょ。仮に若い女性と結婚できたとしても、あなたに妊娠させられる能力があるの』と、ド直球くらって(苦笑)」

気の置けない間柄だったから、そんな言葉も出たのだろう。

「それで調べたんですよ。今は郵送で精子検査ができるので」

ひと昔前、“不妊の原因は女性側にある”と考えられていた時期があった。ところが今では、“不妊の原因が男性にもある”というのが、周知の事実となっている。責任は半々だ。結婚して子どもを授かりたい夫婦は、そろってクリニックでブライダルチェックを受ける時代なのだ。

そんななかで、クリニックに行かなくても郵送で精子検査ができる専門機関ができ、子どもを望んでいる男性の間で、広く知られるようになった。

しょうじは、調べた結果を自信ありげに筆者に告げた。「数も動きも、まったく問題がありませんでした」。

45歳以上の女性には目もくれず

こうして始めた婚活なのだが、54歳で30代の女性とお見合いが組めることはほとんどなかった。一方で、条件が良かったことから、45歳以上の女性からはたくさんのお申し込みが来た。しかし、そこには目もくれない。

現実を知って、しょうじは肩を落とした。「申し込んでも辞退の返事ばかり。受諾されないというのは、自分を全否定されているようで、つらいですね」。

その後も、30代女性に100件近く申し込みをし、ようやく2件お見合いが成立した。37歳のまゆ(仮名)と、39歳のよしみ(仮名)だった。

しかし、結果的に2つともうまくいかなかった。まゆは上から目線の発言が多く、「自分は、お金のかかる女だ」と終始アピールしていたようだ。

「とても苦痛な1時間でした。お断りでお願いします」

お見合いを終えてすぐにしょうじから、交際辞退の連絡が来た。

よしみとのお見合いは、「見た目が写真とかけ離れていた。どうやったらあの写真が撮れるのか不思議なくらい別人でした」と言い、こちらもしょうじから交際辞退の返事があった。

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